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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第137話 眠れる少女達
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まるで、亡霊の様に自分に取り憑いて離れない妙な粘っこい感じが拭えないのだ。
それは世界樹を見ても強く感じた。あの場所には大切な何かがある。……キリトが言っていた大切な人、最後の欠片。それも確かに、大切だって想う。……頭の中で響いてくるあの愛おしい人の正体、かもしれないから。ズキリと時折痛みは襲ってくるものの、我慢出来ない程のものではない。思い出すために、痛みが必要なのだとしたら、喜んで受け入れる覚悟だから。
でも、なぜだろうか……?
――……本当に大切な人が、あの場所にいる様な気がする。そして、大切な人を亡霊が、影が覆っていってる様な……そんな感じ、予感、気配がまるで拭えない。
「……坊ちゃん」
「っ!」
そんな時だった。
また、背後から声が聞こえてきたのだ。いつも通り、気配がまるでなく……。
「今回は、私は何度か声をかけましたよ。……ですが、坊ちゃんは難しい表情をしたままで、心此処にあらずの様でしたので」
「あ……、そ、そうなんだ」
隼人は、少し驚きながらそう返事をした。これまでの展開では、爺やは気配なく後ろから……と言うのがお決まりだったから、また……って思ったのだが、事実は違った。深く、強く考えていたのは間違いないのだから。
「何かお悩みがあるようでしたら、坊ちゃんさえ、よろしければ私に相談してください。力になれるかどうかは、判りませんが……、精一杯の事をさせてもらいますよ」
「あっ……」
そう言うと、隼人の肩を優しく叩き、そして握った。隼人は、その手をとり……そして意を決した。
……隼人自身には、聞きたい事があったのだ。あの世界で視た情報。それは虫食い状態で、本当に行われているかどうかは判らない。でも、あれは、あの研究は……。
聞きたい事、聞かなければならない事、それはあの事件のその顛末。
そして、……頼みたい事もあった。あのゲームを運営しているのはレクト。あれが、あの闇の意思が生きていて、そしてあの世界で蠢いてるのだとしたら。現実世界と仮想世界の両方でしなければならない。中と外で攻めなければならない。
そして、何よりまずは……聞きたい事。
「……ありがとう。爺や。それで……ね、あの男は今何処にいるか、爺やは知ってる?」
「……っ!」
その言葉を聞いて、綺堂は思わず隼人の肩から手を退けて立ち上がった。今、今このタイミングでそれを聞くとは思わなかったから。何より唐突過ぎるから。
「……あの男、と言うのは?」
間違いなく自分が思い描いている人物だと言う事、それは判っていた。でも、聞かずにはいられなかった。
隼人の表情は一瞬だが、表情が暗く、闇に落ちた。
「……あの男、だよ。僕の……大切なもの
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