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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第136話 君の名を呼ぶ
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大きな事件の事だ。SAO。……ソードアート・オンライン」
「……おっ、おっ……おにぃさん……っ、りゅうき、おにいさんっ」
ユイは、リュウキの身体から、肩から飛び上がる。そして、……その身体は光り輝いた。その後にユイの手のひらサイズの小さな身体が、人間の少女の身体へと変化した。
「おにい……さんっ……っわ、わたしっ……わたしっ……、おにいさんに、会いたかった……会いたかったんですっ……」
「……ユイ」
リュウキは、その身体を受け止め、そして手を回した。身体の大きさが突如変わった事への驚きはなく、今の彼女が本来の姿なんだ、と言う事も何処かで理解できていた。
「……リュウキ、お前は、……記憶が?」
「……ああ、そうだよ。オレは記憶が欠如している。……それも、漠然としたものじゃない。2年間と言う期間、あの世界が存在していた期間の間の記憶が、……欠如しているんだ」
ユイの身体を抱きしめながら、そう答えた。
「……キリト。お前は、あの時キリトと、そして和人と名乗った、あの時の人、なのか?」
「……あ、ああ」
全てがキリトの中で完全に繋がった。あの時、あの事務で出会った同年代であろう少年が、リュウキ……隼人本人だった。そして、自分に気付かなかったのは、本人じゃないからではなく、記憶喪失だったから。
「……悪かった。な」
「馬鹿。……それはオレのセリフだ」
キリトは片方の目に溜まった涙を指先で軽く拭い、軽く拳を当てた。
リュウキは、覚えてなかったとはいえ、邪険をした事を言っている様だ。キリトはあの時、リュウキが、隼人が、苦しんで倒れた事を鮮明に覚えているから、その時の事を思い出しながら、そう返していたのだ。
「そ、それで……おにいさん。今は……、どうなんでしょう?私たちの事は……?」
「………」
リュウキは、目を閉じて……そして短く首を振った。
「……朧げだ。それに、まだ……記憶の欠片が足りないみたい、なんだ。……まだ、大切な人の顔が、思い出せない。……あの世界での記憶が……思い出せない」
リュウキは、頭痛を押さえる様に、頭を軽く抑えながらそう言っていた。……無理に揺り起こしてしまえば、以前の様になってしまわないとも限らない、そうキリトは思い。
「……無理に思い出す必要はないさ。……ゆっくり、ゆっくりといこう。オレは、オレ達はお前が無事だった事を知れた、今はそれだけで……満足なんだ」
そう言っていた。ユイも、涙を必死に拭いながら……、頷いた。
「私も、同じですよ。……もう、何処にもいかないで下さい。おにいさん……」
2人の言葉を聴いて……リュウキは笑う。……暖かさをくれたから、笑顔を見せる事が出来た。
「……ありがとう」
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