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英雄は誰がために立つ
Life13 第一次グレモリー家本邸前防衛戦 収束
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オオ」
 (死ななければ、何れ時も来ましょう。ですから如何か、如何か!)
 「だ、だが・・・」

 此処までの規模の作戦に、今もこうして我が身を賭して自分たちを庇う信頼すべき家臣を犠牲にした上で成果なしなどと、到底許容できる筈も無かった。
 しかし上官は兎も角、同じ位の者達は留玉臣の決死の行動と必死の奏上に共感して決意した。
 楽々森彦は、(あるじ)の背後で一瞬にして巨大な猿型の幻想種へ変貌した。

 「――――失礼いたします、若」
 「森彦、何を!?」

 主であるセイバーの驚愕を無視した上に、問答無用で片腕で身動きを取れなくしながら抱え込んだ。
 それに続くように犬飼健は、犬・・・と言うよりは狼型の幻想種へと変貌して控えるように立つ。

 (長くは持たぬっ!早く・・・)
 「――――オオオオオオオオォオオオ!!!」
 「降ろさぬか森彦!」
 「任せておけ、若は必ずや無事に連れて帰る」
 「・・・・・・」

 そう最後に留玉臣へ一瞥してその場を飛び立つように去る一行。

 (頼んだ・・・・・・ぞ・・・)
 「――――オオオオオォォォォォォォ・・・・・・・・・」

 役目を果たしたかのように力尽き、魔力の滓へと還って往った。
 最後に彼の目に移った幻想は、懐かしき主との冒険の日々の情景であった。


 −Interlude−


 モードが、敵セイバー達に宝具である我が麗しき父への叛逆(クレラント・ブラッドアーサー)を解き放った光景を見て、戦闘慣れをしているヴェネラナとグレイフィア以外のメンツは皆、規模と威力に目を奪われていた。
 そんな中の一人であるゼノヴィアの耳に、モードからの声が通った。

 「おいっ!そこのパワー馬鹿」
 「パワー馬鹿!?私の事か!」

 確かにモードはゼノヴィアに向けてパワー馬鹿と言い放ったが、それで誰よりもいち早く反応すると言うのも考え物である。

 「ハッ、自覚してんじゃねぇか。それよりさっき、オレの事を『女の子』とぬかしやがったな?」
 「んん?それの何がいけないって言うんだ・・・」
 「二度と言うなよ。次言われたら、自分を押さえられなくなる。いや、出来るがする気は無い」
 「っ!」

 モードからの殺気を受けたゼノヴィアは、顔を青ざめる。
 士郎と親しげにしていたので、味方かと思いきやこれだった。

 「ちょ、ちょっと待って!」

 それをすかさず主であるリアスが間に割って入って来る。

 「この子は私の大事な下僕なのよ。如何か、許してあげて!」
 「二度と言わなきゃいいってだけだ。忠告・・・・・・いや、警告的な意味合いとしてな」

 リアスの必死ぶりに当てられたかは判別できないが、あっさりと殺気を収めた。

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