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英雄は誰がために立つ
Life13 第一次グレモリー家本邸前防衛戦 収束
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ていた。

 (何故、ゼノヴィア・クァルタ(標的)が此処に居るのや!?いや、此処に居ると言う事はレヴェルとアサシンの奴らはしくじったか!?情けなし!)

 これほどの大規模作戦を企画立案しておきながらこの様とはと、敵セイバーはレヴェル達を心中で罵倒し続けていた。

 (こうなれば私自らで捕えた後に、ライダー()に献上する以外に他になし)
 「ハァアア!!」
 「っ!」

 心中で決意した敵セイバーは、グレイフィアの魔力弾を剣で捌きながら魔力放出のブーストにより強烈な蹴りを放った。
 その蹴りを瞬時に防いだグレイフィアだったが、真後ろから来た楽々森彦からの奇襲を受けてさらに防戦する羽目になる。
 別に口裏もアイコンタクトもした訳では無いが、絶対の信頼のある部下であり宝具の一部に後を任せて、自身はさらに魔力放出のブーストにより加速し長らゼノヴィアに迫る。

 ギィッン!!

 「何と!?」
 「ハッ!」

 しかしながら白銀の魔剣士にその行動が読まれていたようで、ゼノヴィアに向かっていた敵セイバーの突進に対して正面から剣をかち合わせてきたのだ。
 しかも読んでいたのを隠そうともせずに、禍々しい兜の下から敵セイバーを嘲笑うような喜声を出した。
 剣を切り結ぶも全て防ぎきられたので、一旦後ろに下がろうとすると、目の前の白銀の魔剣士が指先を地面に入れて何かを持ち上げる様に振り上げた。

 「!」

 モードが降り上げる様に持ち上げた上で敵セイバーに向けたのは、地中に埋まっていた岩だった。
 それを眼前に突き付けられた敵セイバーは瞬時に岩を両断する。
 その岩を両断した瞬間、岩の上から何かが飛び出して来た。

 (見縊られたものだっ!)

 それを白銀の魔剣士であると判断した敵セイバーは、跳躍して斬りかかろうとした処で自身のミスに気付いた。
 岩の上から飛び出して来たのは白銀の魔剣士たるモードでは無く、その魔剣士の振るっていた西洋剣だったからだ。
 当の本人は、タイミングを見計らった所で宙に投げ出された岩を陰にして横合いから飛び出て来たのか、敵セイバーの真下に居た。
 この魔剣士は、当然今は得物を持っていないので無力と言うのは一般的な剣士の模範的な考え方だが、修羅場の数々を踏んできた猛者や歴戦の戦士などはその枠には当てはまらない。
 モードは敵セイバーの片足を掴んだその場で投げた。

 「オォオオラアッ!!――――押し込め!」

 投げ出された敵セイバーは見事着地したところで、自分の代わりにグレイフィアと対峙していたはずの楽々森彦が真横に着地して来た。
 見れば、敵の膨大な魔弾の雨を捌き防ぐために此処まで押し切られたようだった。
 先程の魔剣士の押し込めと言う言葉はこの事だったと、敵
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