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英雄は誰がために立つ
Life13 第一次グレモリー家本邸前防衛戦 収束
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 グレモリー家本邸前の防衛戦は苛烈を極めていた。
 先のヴェネラナの危機を救った士郎から収められた盾は、防御するだけなら非常に強力だが全方位防御では無い為と力量不足により、今現在のリアス達は逆に足手まといになっていた。
 ならば再び城内に戻ればいいのだが、ゼノヴィアを迎えに行くためには一刻もこの戦線を収束させねばならないのでその判断も微妙だった。

 「クッ!?」
 「如何した、銀髪の悪魔よ?動きが単調になっているぞ」
 「余計なお世話です・・・!」

 魔王級と名高い最強の『女王(クイーン)』と称されたグレイフィアは、敵セイバーに押されていた。
 リアスやヴェネラナは勿論、執事達も当初はグレイフィアの力に圧倒される賊の光景を簡単に思い描けていたのに、現実には違う結果になっていた。

 「我ら3人を前に、よそ見している暇があるのか?」
 「舐められたものだっ!」
 「っ!」

 此方もセイバーが召喚した3人の猛攻に、ヴェネラナを主軸にしたリアス達が防戦一方になり、苦渋を強いられていた。

 「お母様!って、きゃっ!?」
 「リアス!」
 「部長!」

 ヴェネラナが押されているのを心配して、ついよそ見をしたところを敵の攻撃により転倒したリアスに更に追撃が来そうだった。
 それに小猫と朱乃は反応して最悪の想像たる、リアスが惨殺されると言う白昼夢を見た気がした。

 ((此処で目を背けたいモノ(忌まわしい力)を使わないで何時使うっ!))

 遂に小猫と朱乃は、大切な主または親友を守るために内側に隠していた自分たちの本質を曝け出す決意に至った。
 しかし、そうして決意している処で犬飼健はリアスを切り殺す為に、刀を振り降ろそうとしていた。

 「リアス!」

 そんな犬飼健に向かって朱乃は、雷を纏った光の力を放つ。

 「ぬっ!?」

 危機を察知した犬飼健は、バックステップの要領で後方へ引く事で朱乃の攻撃を躱した。

 「朱乃!?」
 「引きなさい、リアス!」

 自分を庇う為に力を開放した朱乃に対して、リアスは驚愕する。

 「まだです!」

 小猫は、後方に躱した犬飼健に向けて仙術を籠めた八極拳の基本の型の掌底をぶつける。

 「ぐっ、ぉおおお!?」

 それを慌てて刀の平で防ぐも、犬飼健はあまりの威力による衝撃で吹き飛んだ。
 しかし、小猫の行動は悪手だった。
 敵の隙を狙っていたのか、気配を消していた留玉臣がいきなり小猫の真横に現れながら刀を振り降ろそうとしていた。
 それによりすぐ反応する小猫だが、宙に浮いている為躱せない。悪魔の羽もあるだろうが、羽ばたくだけの空間と時間も無いのでどちらにしても無理だ。

 「小猫っ!」
 「小猫さん!」


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