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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第133話 再戦の誓い
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―……なぜ、一瞬で目の前に?


 その聡明とも言われる頭脳でも、まるで 思考がまとまらない。

(……こんな事が合って良いのか!?)

 強くそう思ってしまうのも仕方が無かった。これまで、無敗と言う事はなく、破れた事は確かにある。が、それでもここまでのものは感じなかった。だが。

(……)

 ジェイドは考えるのを止め、立ち上がった。飛翔して、ドラゴを見定める。

「……私もこのサラマンダーの部隊の副将としての誇りがあります。……簡単には殺られない!」

 流暢で、淀み無く、何処か余裕さえみせていた当初の口調から一変した。裂帛の気合と共に叫びを上げるその姿に、固唾を飲んで見守っていた周囲のサラマンダー達でさえ、思わず仰け反りそうに成る程。

「……あれか!?」

 ドラゴは、素早く構えた。ドラゴの言う《あれ》とは、ジェイドの持つ伝説級武器であるニルヴァーナ。

「基本性能では、完全に私の負け。……ですが、唯一のアドバンテージである、この武器で、……ケリをつけます!」

 一振りで、炎の魔法を生み出す魔法兵器と言っていい杖。詠唱などはなく、予備動作(ノーモーション)。唯一の有利性(アドバンテージ)だと言っているが、それが唯一にして絶対のものなのだ。近づかなければ攻撃が出来ないドラゴの剣と、遠距離攻撃を速射出来るジェイドの杖。

「……確かに、厄介極まれりだ。遠距離では、分が悪すぎる」

 剣の勝負ではなく、純粋な戦闘力で言えば、彼がサラマンダーNo.1だと言っても過言ではないのだ。

 ドラゴは眼を使い、相手の全てを視る。

 視た上で、相手の全てを丸裸にするのだ。集中させたその眼は、相手のデータ。身体を構成しているデータでさえも読み、次に移る行動、どの部位を動かすのかでさえも視切る。そこから、完全に予測しつつ攻撃に入る為、相手には異常なまでの速度だと体感してしまうのだ。……が、魔法の打ち合いの様な戦いでは距離がありすぎる為、そこまでの効果は発揮出来ない。
 あれ程までの武器ならば、尚更だった。




 戦闘を見守っていたリーファ達は思わず息を飲んでいた。

「拙いな……、黒の彼とユージーン将軍、そして、銀の彼とジェイド。プレイヤー間の実力差は、互角、優勢、と思える。……が どちらも武器の性能が違いすぎる。魔剣といい、杖といい、どっちもバランスを崩しているとさえ、思える代物だ」
「そ、そんな……」
「……リーファだって、わかってるでしょ? キリトの方だって。……今は無茶苦茶な反応速度で回避出来てるけど、アイツの攻撃は防御不能。そんな攻撃が出来る剣で攻撃してくるんだから、何れ均衡は崩れる可能性が高い。……ドラゴの方はホーミング性の魔法の連発を受けてる。……魔法は、殆ど必中。
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