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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第133話 再戦の誓い
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ちりっ……っと、離れているのに感じる。
それは、何か?と問われれば、はっきりとした答えは返せなかった。
闘気?覇気?殺気?気迫?
形容するとしたら、そう言う言葉が並ぶだろう。ただ、それを戦ってる相手、当事者以外にも、他の者にまで伝える事が出来るのだろうか?
「……む」
「へっ……」
キリトとユージーンも、それは鍔迫り合いの最中でも伝わってきた。
「あんなの、見せられたら気合が入らざるを得ねえってなっ!!」
キリトは、巨大の剣をまるで短剣の様に、手足の様に使いこなし、連続攻撃をユージーンに加えた。ずばばっ! と言う衝撃音と共に、斬撃によるエフェクトがユージーンの身体に刻まれる。
ユージーンは、この時ばかりは侮っていた、と言わざるを得ないだろう。
あの気配に目を奪われてしまったのだから。キリトは、ドラゴの事を知っている。……知っているからこそ、隙などは見せず、即座に攻撃に転じた。ユージーンは、これまでであれ程のもの、お目にかかった事が無かったから。
「一先ず、貴様の首をとることに集中しよう! 貴様は落ちろぉっ!!」
「やってみろ!!」
空中で体勢を整えたユージーンが素早くキリトと突進し、キリトもその攻撃を躱しながら攻撃を返していった。
「……勝負は、ここから?」
「ああ」
「つまり、今までのは手加減をしていた、と?」
「そう言う訳でもない。……ただ単に集中力。その違いだ」
ドラゴは、そのままゆっくりと、剣を構えた。それは突きの構え。
(……集中力)
このゲームにおいて、それは全てを左右すると言っていい。脳でプレイする以上、この世界の身体を動かすのは、脳から発せられる信号だ。それに、切れ味が増せば増す程……、身体能力に変化が現れるだろう。だが、それは気休めだと解釈をしていた。
なぜなら、この世界での身体能力はステータスと言う数字に縛られているからだ。
例えるなら、『魔法スキル1の者が、魔法スキル100の者に太刀打ちなど出来るはずがない』など。
それが一般的なこの世界での常識。……だったのだ。……だが。
「なっ!?」
「………」
ひゅっ……!と言う音が聞こえたか?と思った瞬間。ドラゴに瞬時に距離を詰められた。まるで、瞬間移動をしたかの様に。一瞬で近づかれ。
どがぁぁんっ!!! と言う爆音が発生。それは凄まじい速度のままに、剣を振り下ろされ、ジェイドの身体を吹き飛ばした音だ。受け身を取る事も叶わず、ジェイドは台地に叩きつけられる。
「ぐぅっ……!!」
ジェイドのHPはまだまだ問題ない量だが、思考はぐちゃぐちゃだった。
――……なぜ、突如あそこまでの力を?
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