マブラヴ
1057話
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陰陽の言葉に、俺は分かっていると頷く。
「全て承知の上だ。これから関西呪術協会とシャドウミラーは関係を深くしていくんだ。それを思えば、こうして共に敵に当たるというのは寧ろ悪くない出来事だろう」
「ですが……ええいっ、詳しくは長に……」
そう言うが、近くにいた別の陰陽師がすぐに首を横に振る。
「長は酒呑童子との戦いで手が離せない。もし手伝って貰えるのなら、遠慮しないで手伝って貰った方がいい。ここで面子に拘って仲間を殺してしまえば、後々後悔する事になるのは俺達だ」
同年齢程の仲間からその言葉を聞いた陰陽師は、周囲を見回す。
そこら中で起こっているのは、無数の鬼と戦う神鳴流剣士、陰陽師の姿。
その様は、とても現代で見る事が出来るとは思えない程の戦闘風景……戦場であり、何も知らない者であればここがファンタジー世界の光景ではないかと思える程だ。
……いや、ファンタジーの門世界での戦争を見た限りだと、向こうでもここまで魔法的な存在がメインにはなってなかったけどな。
少なくても大太刀を振るって雷を落としたりとかをしている者はいなかった。
どちらかと言えば向こうは魔法の代わりに弓矢とかが主流になってきていたので、中世の戦いと言った方が正確だろう。
「それもそう、か。アクセル代表、シャドウミラーの力を貸して貰いたい」
「勿論構わない。そのつもりでここに来たんだしな。……あやか、後方から魔法とアーティファクトで援護を、円は遊撃でピンチになっている陰陽師や神鳴流の剣士の手助けを。俺は酒呑童子の方を押さえる」
「ええ、分かりましたわ。私達が来た以上はこれ以上の被害は出させません」
「そうね。鬼なんか私の炎で燃やし尽くしてやるわ!」
2人が自信を感じさせる笑みを浮かべてそう告げ、俺も空中へと浮かび上がろうとして……
「ちょっと待ちなさいよ! 私達はどうすればいいのよ!」
神楽坂のそんな声に引き留められる。
早速呪文を唱えて『魔法の射手』を100本単位で撃っているあやか。空中で止まった俺の横を、純炎の涙の力を使って円が空を飛んでいき、空中から地上の鬼を狙って炎を生み出す。
この酒呑童子の襲撃の中でも、不幸中の幸いだったのは酒呑童子が率いてきたのが全て鬼だったということだろう。
以前修学旅行の時に天ヶ崎が近衛の魔力を使って召還した時は、鬼以外にも烏族のように空を飛ぶ能力を持った種族がいた。
だが、今回は鬼だけであり、全ての鬼が地上にいる以上、制空権は簡単にこっちが奪える。
唯一にして最大の不安要素は、酒呑童子が空を飛べるらしいって事か。
少なくても俺が知ってる伝承では空を飛ぶ能力を持っていた筈だ。
だが、その酒呑童子も現在は紅き翼として勇名を馳せた詠春が対峙している。
そう
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