暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
1057話
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 陰陽師は確認するようにそう告げ、懐から数枚の呪符を手に持ちこちらの意思を確認してくる。
 出来れば俺達に戦って欲しくないというのは変わらない思いなのだろうが、それでもこっちとしては色々と目的がある以上はそれに否と答えるしかない。
 あやか、円、神楽坂、近衛、桜咲の5人に視線を向けると、全員が厳しい表情で頷く。
 特に桜咲は手に持った大太刀でいつでも近衛を守れるように厳しい表情を浮かべていた。





「ここです」

 陰陽師がそう告げたのは、鳥居が幾本も連なっている参道。
 ただし周囲は静寂に満ちており、鬼の姿どころか人の姿すらも見えない。
 どこからどう見ても無人。

「……ここでいいんだよな?」
「はい。先程も言いましたが、こことは隔離された空間に酒呑童子達を引きずり込む事には成功していますので。今も中では長達が酒呑童子率いる鬼達と戦っている筈です」

 その陰陽師の表情が厳しく引き締められているのを見る限りでは、とてもではないがこっちの方が有利……という訳ではないのだろう。
 それでいて絶望に満ちた表情をしている訳でもない以上、恐らく互角か、ややこちらが押されているといったところか。
 そこに俺達が加われば、戦局を覆す事が出来ると思いたいな。

「では、戦いが行われている異空間の中に入ります」

 最後の確認を込めて尋ねてくる陰陽師に頷きを返す。
 あやかや円を含めた他の面々もそれぞれ武器を構えながら頷く。
 それを見た陰陽師は、手に持っていた呪符を鳥居が並んでいる参道の中でも一番近くにある鳥居へと触れ、何かの呪文を唱え……
 次の瞬間目に入ってきたのは、大勢の陰陽師と神鳴流の剣士、そして鬼の姿だった。
 異空間という話だったが、こうして見る限りでは先程までいた外の様子と大して変わらない。
 ただ違うのは、外が静寂に満ちていた世界だったのに対して、こちらは戦場と化していたというところか。
 数で言えば、この場にいる全員を合わせれば200人近いだろう。ただし、その半数以上が鬼であり、陰陽師と神鳴流の剣士は50人前後といったところか。
 他にも、前鬼、後鬼なのだろう。陰陽師を守っている鬼の姿もあるが、紛らわしいな。

「蓮見、何故お嬢様を……そして客人を連れてきた!?」

 呪符を投げ、そこに竜巻を作り出していた陰陽師がこっちに気が付いたのかそう告げてくる。
 どうやら俺達をここまで案内した陰陽師の名前は蓮見というらしい。
 今更ながらそんな事を思いつつ、蓮見と呼ばれた陰陽師が何かを言う前に俺が口を開く。

「今回の件に関しては、こっちから申し出た事だ。この男は悪くない」
「アクセル代表! だが……見ての通り、ここは戦場。殺し、殺される場ですぞ!」

 50代程の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ