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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第131話 猫と風の妖精の命運
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自然と拳が握られていた。
その仕草だけでもよく判る。そのサクヤと言う人が、リタにとっても大切な人なのだと言う事が。
「いくつか聞いていいかな?」
「どうぞ」
キリトが視線を前方にさせながら聞く。
「シルフとケットシーの領主を襲うことで、サラマンダー達にどんなメリットがあるんだ?」
「……領主、と言うくらいだ。普通のプレイヤーを倒して得られる物とは比べ物にならないんだろう?」
ドラゴも推察ながらそう言う。リーファは、2人の方を向いて、頷いた。
「……えっとね、、まずは同盟の邪魔が出来る。シルフ側から情報が漏れた〜なんて状況になったら、ケットシー側が黙ってないでしょう。下手したら、サラマンダーとどころかケットシーと戦争に成りかねない。サラマンダーが現在最大勢力だけど、シルフとケットシーが連合すれば、多分バランスは崩れるわ。それだけは 何としても阻止したいんだと思うよ」
「……如何にもトカゲが考えそうなことよね。」
リタはそう呟いた。サラマンダーが嫌いなのは見て取れそうだ。ケットシーは別なのだろう。
……この時、誰も知るよしもないが……、リタは猫が大好きなのである。
「それと、ドラゴ君の言うとおりよ。領主を討つって言うのはそれだけで凄いボーナスがあるの。ただのプレイヤーだったら、そのプレイヤーの三割だけど、領主だったら、領主館に蓄積されてる全部の資金の三割を無条件で入手出来るし、10日間、領内の町を占拠状態にして自由に税金をかけられるの。これが凄いのよ。昔、サラマンダーがシルフの最初の領主を罠にはめて殺したから、今最大の勢力になってるの。普段は、領主は中立域に出ないからね。ALO史上、領主が討たれたのは、後にも先にもその1回だけだったわ」
リーファの説明を聞いて、キリトも思わずため息を吐く。『そりゃすげえな』と言葉を添えて。
「成る程。ケットシー側、シルフ側の2つの種族の領主を討ち取るとなったら、ALOの歴史に刻まれるな?現実の事件張りに」
「そうなるわ。……だからね、2人とも」
リーファは、脚を止めて、言葉を紡ぐ。
「これは、あたし達の、……シルフ族の問題だから、これ以上2人が付き合ってくれる必要はないよ。この洞窟を出れば、アルンまではもうすぐだし、それに会談場にくれば……多分、生きて帰れない。また、スイルベーンから出直しで、何時間も無駄になる」
「………もう、はっきり言っちゃえば? リーファ」
そんなリーファにリタが肩を叩きながら声をかける。
「え?」
キリトは、リタの言う言葉の意味が判らない様だ。
「キリト、アンタも世界樹の上に行くのが目的なんでしょ? ……なら、あのトカゲ連中と連むのが最善なのよ。……いけ好かないけどね。アンタにも事
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