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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第131話 猫と風の妖精の命運
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判らない。
「ったく、聞きなさいよ。一体何の話?」
「ん、ちょっと失礼する」
「……は?」
ドラゴは、リタの手を握った。そして。
「ちょいと手を拝借」
「えっ? は? あ、あのー」
リタが誰かと手をつなぐ様な光景は、超レアだ!と一瞬混乱してしまったリーファ。だが、自分も手をつないでしまった事実を目の当たりにして、心臓がどくんっと脈打った。それは、リタもそうだろう。本来であれば、パンチの1つでも飛びそうだ、と思うが今はそんな事は無かった。
だが、その後、さらに衝撃的な事が起こる。
「……遅れたら置いてくぞ」
「こっちのセリフだ」
それが、まるでスタート合図だったかのように、2人は、“ぎゅん!!!”と言う音を立てて、猛烈なスピードで駆け出した。
空気の壁を突破し、超音速による衝撃波の様なものが発生したかと思えば、衝撃音が2人の鼓膜を叩いた。
今までのペースもかなりあった、と自負していたが、それとはまるで比べ物にはならない。あまりの速さに、岩肌のテクスチャが放射状に溶けてながれているようにさえ見える。……新幹線に乗って、外の景色、近い所の景色を見たイメージが違いだろうか?
そして、勿論洞窟内は、一直線ではない。
所々湾曲してるし、90度カーブもある。それをコーナリングする度に2人の身体はぶんぶんと振り回される。絶妙なコーナリングのお陰なのか、壁に激突する様な事態にはならなかったが……、異性と手をつないで歩くと言うロマンチックの欠片もない。言うならば、先ほどの例えで上げた新幹線。まるで、教育テレビの様に新幹線に手が生えて、その手を掴んで走ってる様な感じだ。
……だから。
「うひゃああああっっ!!!」
「きゃあああああっっ!!!」
2人とも悲鳴を上げてしまっていた。そして、勿論洞窟には数多い湾曲等だけではなく、進路を塞ぐ障害物、即ちモンスターも存在している。新幹線と言うのは体感からの比喩であり、そこまでの高速と突進力はないから、モンスターとは戦わなければならない、と思っていた2人だったのだが。
「ちょっ! まえ、まえっ!! いる、いるからっ!!」
リタの叫び。そう、前に無数のモンスタ―達がいるのだ。少数でのパーティであれば普通、スニーキングしながら、洞窟を突破するのがセオリーだ。不意打ちも仕掛けやすくなるし、相手と接触もせずに済む。
……が、そんなのはおかまいなしだった。
不運にも、ドラゴ側にはモンスターが多く、キリト側には比較的少ない数。それでも、数がいる事は間違いないのだが、キリトは速度を落とすこと無く、間を縫って走り抜けた。
「ちっ、運が悪い……」
ドラゴがそんな言葉をいっているが、風切音が凄い為か、聞き取りにくい。
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