24部分:第二十四章
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たらそうしたで魔力を消耗して」
「敵に向かえないですか」
「ええ、事件を終わらせるのには犯人を始末するのが一番大事だけれど」
「その肝心の犯人がわからない」
「だから一番簡単なのは」
「犯人を探し出して倒す」
「そう、それが一番なのよ」
沙耶香は話の元を潰すことを考えていた。それを速水に述べたのであった。
「どうかしら」
「やはりそれしかないですね」
それには速水も賛成の意を示した。
「根元を断つ。それが一番です」
「そういうことね。じゃあ後は」
「犯人を探し出すのですが」
速水はそう言いながら沙耶香に目をやった。それから述べた。
「何かいい考え、ありますか」
「貴方にはないのね」
「カードは。何も教えてはくれません」
「目は」
「それもね」
残念そうに苦笑いを浮かべた。
「何も反応はありませんね」
「今のところ八方塞りというわけね」
「打開策は探っているのですがね」
「それは私もよ」
そう言ったところで後ろから影が浮き出てきた。
「彼女達も動因しているけれど」
「何もなしですか」
「証拠はね。さて、どうしたものかしら」
「これ以上の犠牲者を出すわけにはいきませんが」
「難しいわね、正直」
沙耶香の言葉は溜息が混じっていた。
「この有様だとね」
「伝えられている生贄は後二人」
速水はそれを口にした。
「その二人は何としても防がなければなりませんが」
「策はあるかしら」
「カードを一枚一枚この館の人達に潜ませますかね」
「カードを」
「はい、これは私の目であり耳でもありますから」
速水の術の一つである。彼はタロットカードから物事を見聞きできるのである。
「これを使えば。力もあまり使いませんし」
「じゃあそれでお願いできるかしら」
「はい、それでは」
速水は懐からカードを取り出した。そしてそれを宙に放つ。
「行け」
宙に放ったカード達に言う。するとカードはそのままそれぞれ何処かへと飛び去り姿を消した。後には沙耶香と速水だけが部屋に残った。
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