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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第129話 橋の上の戦争
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いったらありゃしない」
ドラゴは、そうぼやきながらも、喜々として剣を握る。そして、跳躍し。
「ぐるおおおっ!!!」
悪魔の眼前まで飛んだ所で剣を振り下ろした。……だが、相手の反応速度も、その巨体からは有り得ない程早い。顔面に通る筈の一撃が、その巨大な掌に阻まれた。
「ふん……!!」
ドラゴは、上手く着地すると、今度は詠唱を始めた。
「ぐるるっ!!!」
その詠唱を阻止しようと、巨大な掌を握り、拳にすると、一気に振り下ろしてきた。雷撃の鉄槌、の様な勢いと迫力だ。
だが。
「……ふんっ!」
「!!!」
詠唱中なのに、ドラゴは動き回避した。攻撃が当たる筈だったと、まるで動揺しているかの様な悪魔。
(……やはり、何かがおかしいな。単なるNPCが、Mobが、こんな反応をするのか? イベント系の敵……か? いや、これはまるで……)
ドラゴは、攻撃を避けつつ考えていた。そう、この悪魔の表情は驚いている様な感じがする。見た事もない攻撃、そして 驚いている、と言う中には歓喜さえも見える。わくわくする、と言った様子だ。
――……まるで、そうまるで……自分と同じ。
相手はモンスターではなく、プレイヤーの可能性がある、と考え始めていたのだ。
だが、一瞬の間に思っただけであり、だからと言って手を緩めるわけにはいかないだろう。
「……コイツには、一発の魔法だけじゃ、躱されるな」
ドラゴは、そうつぶやくと、詠唱文の数を増やした。ドラゴの魔法は、基本的に戦闘中では気が遠くなる程長い詠唱文だ。それが、これほどの強敵なら尚更だろう。
それは、10秒が永久に思える程、1文唱えるのが永久に思える程に。
普通であれば、有り得ない選択肢だろう。ハイリスク・ハイリターンとはこの事だ。
「……だが、上等」
ドラゴは、ニヤリと笑った。相手の悪魔も、その詠唱を易々とさせる訳じゃない。でかい腕を振り回し、時には尾も振り回し、連続攻撃をしかけてくる。
“ぎゅんっ!!”
一撃一撃避ける事に、空気を切り裂く様な音が響く。その巨体からは信じられない速度だった。その悪魔の
筋力値
(
STR
)
は勿論、
敏捷性
(
AGI
)
もかなり高く設定されているのだろう。この魔法を発動させる事が出来た所で、簡単に当たってくれないだろうと思える。
だが、それでも現在で最強の攻撃力を誇る魔法だから、ドラゴにとって最善の手段だった。
当たれば、かなりのダメージであり、全てを躱されたとしても隙は必ず出来るから。
ルグルー回廊側の橋の入り口。
「な、なんなの?あれ……」
リタは、あの戦いを
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