第1章 光をもとめて
第7話 絶対王者 陥落
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00%どころか、立ち見席も含めたら120%は悠に超えてるほどだった。空いたスペースの手摺に手を置き、じっと闘技場を見下ろす1人の少女がいた。
何故だか、彼女の周囲には酔っ払いが痴漢を働いていたり、チャラ男がナンパしたりと大勢の中、正直やりたい放題していたのだが……彼女には何もしていない。容姿は美少女の域に入っている筈なのだが、見向きもしていなかった。……否、皆彼女を認識できずにいたのだ。己の気配を限界まで消し、意識を連続で逸らし、自分の影を薄くする。隠れているわけじゃないのに 認識できずにいるのだ。
それはこの場の全員がだ。
鮮やかな紫の長髪が熱気に煽られているのか僅かに靡いていた。
「……あいつら、一体何してるって言うの?」
静かにそう呟く。
このコロシアムに顔を出したのはまったくの偶然だ。今大会は、かなりの熱戦だと言う事、異常に強い男達が入ると言うことを聞きつけて見に着ていたのだ。
実は……彼女は格好良く強い男の子がいたら……、運命の出会いとか……、考えてたり考えてなかったり。
「(か、かんがえてない!! 任務よ任務!!今は、あの冒険者達の監視、監視!!)」
頭を左右にぶんぶん振りつつ否定していた。何に、否定しているのかはさっぱりだが、あきらかに前者の香りがぷんぷんするのは気のせいでは無いだろう。
彼女は実は運命的な出会いに……凄く憧れているのだから。……だが、とりあえず 馬鹿な妄想は終わりにして、真剣な表情で見ていた。
――……なぜ、あの男達がこのコロシアムに参加しているかを、だ。
今大会はリーザス軍のお偉い方も見に来ている。優勝者には もれなくリーザス最強である《赤い死神》と称されている、将軍とのエキシビジョンマッチが出来、チャンピオンと言う栄誉を得られるだけで、大した意味は無い筈だ。勿論……、例の少女を探すメリットも無いと思える。
(あの緑色の大男は兎も角……、彼は要注意だわ。何も考えてない筈がない。でも……)
ぎりっ……と、唇を噛んだ。そして、手摺を握る手にも力が更に加わる。
「………私は」
悔しそうに歯噛みもしていた。そう、彼女の正体は、以前にリーザス公園で姿を現した女忍者だったのだ。
あの時姿を現したのは、忍者としては失策だと言えるだろう。
〜リーザス城 コロシアム〜
そこでは、もう既に準決勝が始まっていた。準決勝第一戦目。
《ユランvs ランス》
オッズでは圧倒的にユラン有利なのだが、そうはいかない。
「だりゃああ!!」
「おっと!」
攻め続けるランスとそれを華麗に巧みに回避わすユラン。時折、ランスも強烈な一撃。正に剛剣のとも言える一撃を放つが、それも回避するその攻防は
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