暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第7話 絶対王者 陥落
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いる2人。本当に女だとは思えないのだ。観客達をも、ユランの姿を捉える事が出来なかった。何が、彼女を触発させたのか、いきなり最強の剣技を撃ち放ち、対戦者を秒殺してしまったのだから。

「……無事に帰ってきてください。ランスさん。……ユーリさんも」

 パルプテンクスにとって、2人は命の恩人だ。幾らコロシアムの試合と言っても、彼らの無事を願わずにはいられなかったのだった。




〜リーザス城 コロシアム 観客席 西側B列〜


 西側の観客席では、高笑いが木霊していた。その発生源は、その露出がかぎりなく高いスタイルの女性神官だ。

「いぇーい! いやぁ もう さいっこう!! これまで三戦三勝! こりゃ笑いが止まんないわ!」

 その騒ぎの内容から、どうやら、大勝をしているようだ。
 リーザスのコロシアムでは賭けも行われており、その形式は一戦事に行われ、その勝者を当てると言う単純なもの。オッズは事前情報、そして選手の経歴などから決められるのだが、ランスやユーリに関しては甘いと言わざるを得ない。
 自由都市では名前が非常に売れているが、リーザスではそれ程有名ではなく、何よりコロシアム出場は今大会が初だ。だからこそ、比較的オッズが高く、小金でもそれなりに大金に成りかねないほどだ。
 それを見たロゼは、笑いを堪えるのが大変だった。

「おいおい、あんた神官だろ? 神に仕える神官がこんな賭け事なんざして良いのかよ?」

 酔っ払いがロゼに絡んでくる。
 大金を稼いでるロゼを見て嫌味のひとつでも言わずにはいられなかったのだろう。だが、ロゼはニヤニヤと笑い。

「ああ、なんと痛ましい試合でしょうか。怪我人も非常に多く心を痛めます。となればこの勝ち金が必要かもしれません。彼らの治療費に当てようか、と思っています。思いはしますが、実行するかどうかは、神のみぞ知るうちです。アーメン!」

 てきとーな返事を返し次の試合の賭けに向かうロゼ。その姿は下着にローブを羽織っただけと言う露出度の高い格好。……顔を隠そうとしているユーリとは真逆と言っていいだろう。会話の中に神官と言う言葉が出ているが……その姿、言動からは信じられないだろうけど、彼女は、正真正銘AL教。ALICE教団の神官だである。

 ロゼの説明はここまでにしておくとして、とりあえず、会場のボルテージはどんどん上昇してゆく。オッズの高い選手がここまで、人気選手を叩きのめし勝ち上がってきているのだから。2人を知らない観客にとっては番狂わせが連発と言う状況と言ってもいいだろう。

「ユランに500GOLD!」
「ユーリに200……いや、止めだ! アイツだ! 清十郎! 二刀流使いの清十郎に200GOLDだ!」
「チャンピオンが負けるわけねぇだろう!! ユランに有り
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