第1章 光をもとめて
第7話 絶対王者 陥落
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観客席北側A列〜
そして、観客席側で、ランスの戦いを見ているのはユーリだ。
ランスは、遠目からでもよく判る。……ニヤついているその顔を。
「……、どうせどんなお仕置きを〜、とか思ってるんだろうな」
ユーリの考えは完全に的中である。もう、通じ合っていると言えるのだろうか?
「……アホか!!」
静かに、そしてはっきりと否定したユーリ。なんで否定をしたのかは……、不毛なので割愛する。
〜リーザス城 コロシアム〜
『さぁ〜〜、はじまりますよ〜〜〜。続きまして〜、ニンジャマスターさんの入場ですー!』
実況の声も響き渡る。いよいよ、目的? であるニンジャマスターの入場だ。自然と、ランスの対抗側の入場口に視線がむく。確かに、十中八九 あの相手がこの間のあの女忍者ではないだろう。
だが、十中八九、と言うだけであり 100%違うとは言えないから、自然と視線も向けてしまうのだ。
そして、魔法映像の画面に《見参》と言う文字が浮かび上がったと同時に、煙幕が沸き起こった。
あの時の様に 煙幕を使う所を見て、ランスの中の信憑性が増した様だ。
「がっはは! さぁて、女忍者め! どんなお仕置きをしてやろうか!」
立ち込める煙幕の中で、俄然やる気が出るランス。そして……、ついに現れる。
「花散る舞の、静けさやァァァ〜〜……」
割と、近い距離から聞こえてくるその声。……ランスは、一気に力が抜けてしまっていた。
何故なら、この声はあの時のものじゃない。『ヒカリ・ミ・ブランの調査はここで終わりと言っている』と言っていたあの時の声は、耳に残っているから。
紛れもなく、男の野太い声だ。
『はぁ〜い〜、ニンジャさんの登場ですよ〜〜!』
このおっとりとした声の方が遥かに色気がある。……男の声じゃないから。
そして、ニンジャマスターは煙幕の中、まだ姿は見えないが、続ける
「ここまで来たるは、あっぱれ若人、されど、あ、されど されど、我が壁、阻みたりぃぃぃぃ〜〜……!」
その姿が、ついに顕になった。
『……JAPANで、確かああ言うのがいるんだったな。カブキ、だったかな?』
観客席で見ていたユーリは、その特徴的な姿を見て、そう呟いていた。目の前のランスは煙幕で暫く姿が見えていなかった様だが、ユーリは大体見えていた。観客席から見ていたから、かもしれないが。
『ランスなら、声で判るか。……後で文句を言われそうだ。オレに』
ユーリはため息を吐いていた。理不尽な文句が続くのは、もう恒例だ。基本的にスルーで終わるが。
とりあえず、ランスの圧勝だろう、と想像しながら、ユーリは眺めていた。
ランス圧勝
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