気高き敗北者
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状態にあるのはルーシィただ一人。よって今大会タッグバトルルールにより勝者、大鴉の尻尾、フレア・コロナ&ノーラン・レイビー!!』
素早く立ち上がり倒れたルーシィさんを見下ろすフレアと俺をじっと睨むノーラン。
会場は大鴉の尻尾の勝利に大歓声を上げる。
「わ・・・私の勝ちだ。ざまあみろよ金髪ぅ。みっともない!!無様!!負け犬!!あははははは!!」
ルーシィさんをバカにするフレア。それとは反対にノーランは不機嫌そうに押し黙っていた。
「なんだよ今の!!魔法不発かよ!!」
「ダセー!!』 」
「これで大鴉の尻尾は18点、妖精の尻尾はくぷぷ・・・いまだに0点」
会場中がルーシィさんの魔法の不発を大笑いする。
「よき魔闘でした」
カボチャがそう言うとフレアとノーランは闘技場を後にする。
「残念だったな、シリル」
「てめぇ!!」
俺は悪びれもしないノーランに怒りを覚え掴みかかろうとした。しかし、闘技場に入ってきたナツさんにがっしり掴まれ止められる。
「やめろ、シリル」
「止めないでくださいよナツさん!!」
ナツさんを振り払おうとするが強めに押さえられているため身動きができない。
「悔しいのはお前だけじゃねぇ」
ナツさんが顎をクイッとするのでルーシィさんの方を見ると、目を覆い涙を流していた。
「わかったか、ここは抑えろ」
「・・・はい」
俺はナツさんにうなずき解放される。ナツさんはその足でルーシィさんへと歩み寄る。
「泣くな、ルーシィ」
「だって・・・悔しいよぉ・・・」
ルーシィさんは倒れたままナツさんにそう言う。
「涙は優勝した時のためにとっておこうぜ」
ルーシィさんは目をこすりながら上体を起こす。
「すごかったぞ。おかげで俺たちはこの世界で戦えるってわかった。0点?面白ぇじゃねぇか、ここから逆転するんだ」
ナツさんはルーシィさんに手を差し出す。ルーシィさんはその手を掴む。
「うん・・・燃えてぎた」
ルーシィさんの顔は涙でボロボロになっていた。ナツさんとルーシィさんはそのまま闘技場から出ていく。俺もそのあとに続いたが、途中で立ち止まり反対側の出入り口を見る。そこにはこっちを笑いながら見ていたノーランとフレアがいた。
「大鴉の尻尾・・・いや、ノーラン。この借りはかならず返してやる」
俺はそう言い、闘技場を後にした。
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