気高き敗北者
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せ俺を何度も何度も攻撃してくる。
しばらくすると2人は一度攻撃の手を休める。その時、ルーシィさんと目があった。その目は【棄権しよう】と言っているように俺には思えた。
確かに、アスカちゃんのことを考えたら棄権して命の危険から解放してあげた方がいい。俺はしぶしぶルーシィさんの提案にうなずく。
「降参・・・」
ルーシィさんが降参しますと言うとすると、フレアがそれを邪魔するように髪で口を塞ぐ。
「ルーシィさん!!がっ!!」
倒れたまま掴まれたルーシィさんを見上げるとその頭をノーランに踏まれる。
「誰がしゃべっていいって言ったよ、金髪!!」
フレアはそのままルーシィさんの手足を拘束し身動きが取れないようにする。
「降参なんかさせないわ。これからたっぷりと遊んであげるんだから」
「お前もそこで大人しくしてなよ、シリル」
ノーランは反撃できない俺の頭をグリグリと踏みつける。
「いい?声を出さないでちょうだい。ただし、悲鳴は許すわ」
フレアはそう言うと大笑いしながらルーシィさんの口を塞いでいた髪をどける。
「そうね、まずはどうしてくれようかしら。その服ひんむいてやるのもいいわね、この大観衆で」
ルーシィさんの表情が少しずつ恐怖に変わっていく。
「それも面白そうだけど、もっといいこと思い付いちゃった」
フレアの赤髪が大鴉の尻尾のギルドマークの刻印へと変化する
「お前の体に大鴉の尻尾の焼き印を入れてやるわ。一生消えない焼き印をね」
「やめろ!!」
「だからしゃべるなって」
叫んだ俺の頭を蹴るノーラン。そしてノーランは耳元でこう呟いた。
「安心しろ、ルーシィの次はお前にその焼き印を入れてやるからよぉ」
「くそがっ・・・」
人質を取って有利になった途端にこれか。これがカミューニさんと同じ三人衆の一人なんて・・・
「どこに入れてほしい?ん?」
フレアは焼き印を入れる場所を探している。するとルーシィさんの手の甲の妖精の尻尾のギルドマークに目が止まる。
「そうか、妖精の尻尾の紋章の上にしてほしいのね」
「お・・・お願い!!それだけはやめて!!」
「しゃべるなっつったろ!!」
ルーシィさんの右手に焼き印が迫る。
「いや!!やめてっ!!」
どうする!!せめてアスカちゃんが解放されれば反撃のチャンスがあるのに!!
「「アスカちゃん」ってな!!」
ナツさんの声が聞こえアスカちゃんの方を見ると、そこにはアスカちゃんを人質としていた赤髪を焼いているナツさんがいた。
「何!?」
「あれが聞こえてたのか!?」
「!!」
「ナツさん!!」
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