22部分:第二十二章
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もこんな平目はそうそうないでしょうね」
「そんなに」
「ええ、わかるわ」
沙耶香は食べ終え、ワインで口直しをしてから答えた。既に白ワインのボトルはない。
「こう見えても私は料理には五月蝿いのよ」
「はあ」
「だからわかるわ。このシェフの目は確かね」
「それに素材だけではありませんね」
速水も食べ終えていた。そのうえで述べてきた。
「味付けも。実にいい」
「そうね」
沙耶香もそれに頷く。
「スパイスを生かしながらも素材の味を殺してはいないわ。そして平目とグレープフルーツ、レモンをよくミックスさせているわ」
「そんなにですか」
「これ程のものを出せるのは。フランスにもそうはないわね」
「それを言ったらフランス人が怒りますよ」
「構わないわ、本当のことだから」
沙耶香は速水に素っ気無く返した。
「それに私の前でそんなことを言える女の子はいないから」
「それは何故ですか?」
「誰もが文句を言うより前に私に釘付けになるからよ」
うっすらと笑いながらの言葉であった。
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