拝啓義母様。日本にカンピオーネが誕生してしまいました。
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
沿いに一歩踏み出す。わたしの繋がりを切らない為に。
「ひかり、せっかく綺麗な脚が傷だらけですよ?」
背後から抱きしめられた。
それに合わせて沸き上がってくる涙。
抱きしめてきたのが誰なのかは直ぐにわかった。
「だ、だなどすざまぁ・・・」
嗚咽にまみれた声で死の神である彼女の名を呼ぶ。
「に、にほんにカンピオーネが、たんじょうじました。がくれてぐだざい」
呂律が回らない言葉で必死に皆さんに危険が迫っていることを伝える。
タナトス様は優しい笑顔で私の頭を撫でて
「なださん、どこにもいかないで。えりずさんも、ネメざんも、ルがぐんも」
その言葉に目を見開いた。
「ひかりはルカだけではなく私達にも親愛の心を向けてくれるのですね」
タナトス様は私の正面に移動してしゃがみこんだ。
「ひかり。殿下から言伝てを承っています。火急の要件でしたので私がそれを御伝えに参上しました」
タナトス様が私の頬を撫でながら言った。
突然彼女が下手に出たことに困惑しながらも耳を傾ける。
「日本に神殺しが産まれました。それに伴いこの国の呪術士たちの組織はほぼ全て、その神殺しの傘下に入ることとなるでしょう」
それに伴い殿下の決定がございます。とタナトス様は続ける。
「今、この瞬間から万里谷ひかりはルカ・セフィーネの庇護下とする」
その言葉を聞いてわたしは泣き出した。
ルカ君はわたしを置いて何処にもいかない。
むしろ側に置いておくと言ったのだ。
それが嬉しくて嬉しくて。神様の前だと言うのに泣いてしまった。
この瞬間からわたしは魔王のモノとなった。
「落ち着きましたか?」
しばらくして泣き止んだわたしは、ナタさんと一緒に公園のベンチに座っている。
「すみません。あまりに嬉しくて」
ナタさんから差し出されたミルクティーを受け取りつつ頭を下げる。
「ルカ君は私を側に置いてくれるんですよね?」
それは私がルカ君の巫女となった事を意味する。
「えぇ、有事の際は表に出ることも辞さないし、自分の名前も出しても良いとの事。近々、若き神殺しとの会合を執り行うそうです。その際は人間で唯一ルカの寵愛を受ける女性として自覚を持つように。心配はありません、ルカは旦那様に似て浮気の心配もありませんよ」
「ハイ。わかりましーーー」
今、なんと言った?
「あ、あのタナトス様?」
「なんでしょう?」
「ルカ君は私を巫女として側に置いてくれるんですよね?」
「巫女などルカは取りませんよ。それに巫女ごときの為に私が直接出
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ