第103話 少年達は終わりへ踏み出すようです
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て辺りを散歩する。
「あれ、千雨さん。お休みするって言ってませんでしたか?」
「他の連中がうるさすぎて眠れなかったんですよ。そう言う先生は休まないんですか?」
「いえ、僕は……休んでしまうと覚悟が鈍ってしまいそうで。」
「そうですか。」
言い難そうに目を伏せながら告白する先生に、それだけ言って散歩を再開する。
素気無くされた先生は・・・何故か私の後をおっかなびっくり着いて来る。本当に何でこの人は
私に懐いているのか分からない。ドMと言うよりは、まるで犬みたいだ。・・・ああ、だから
宮崎とお似合いなのか。つーか甘えるならその宮崎にすればいい。そうすりゃまどろっこしい
関係も一気に進むだろうに。
「で、まだ私に何か用があるんですか?」
「へっ!?あ、いえ、特別何があるって事ではないのですが……あっ!ほ、ほら千雨さん。
魔法世界の大きい地図ですよー!」
「誤魔化すの下手過ぎんだろあんたは。」
睨まれた先生は目を反らし、その先で偶然見つけた縦2m、横4m程の大きい魔法世界の地図に
駆け寄る(逃げる)。そのまま放置しても良かったんだが泣かれても困るし、仕方なく後に付いて
眺める。今居るオスティアを中心に、アリアドネー・グラニクスとMMに挟まれる形。それで
ちょい上に旧オスティア。他に聞いた事ある地名つったら、映画の中で出て来た"夜の迷宮"と
ケルベラス、あと先生の親父らが使ってた隠れ家のあるオリンポス山―――ん?
「なんか火星みてーだな、この世界。」
「そ、そそそそうです……ね……………?」
会話が無いのもどうかと思い、ふと過った考えを言ってみると緊張しっぱなしの条件反射の
返答が返って来た。気を使っただけ徒労感がのしかかり、流石に付き合い切れなくなった私は
ダイオラマ球で一眠りするべくこの場を去る事に決めた。
「んじゃ私は戻って寝ますんで「あ、あぁああの、千雨さん!?」……なんすか?」
「い、いえ、今言った事、続けて貰えませんか!?何かが引っかかって……!」
「別に構いませんけど……私もうろ覚えの何となくですよ。学祭で超が火星がどうとか言ってた
時に、ネットで何回か火星の地形やら調べた事があって。それでこの世界の地名やら形やらが
やけに似てんなー、って思っただけですよ。」
「…………か、火星……?まさか、もしかしたら―――」
・・・元々考えがあったのか、私の話を聞いてからブツブツ独り言を始める先生。
普段抜けまくってる分、真面目になると自分の世界に入り込むよな。良い事かって言われりゃ
この人の場合は大抵がマイナス方向になるってのがなぁ・・・と考え
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