吉原炎上編
八訓
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言で喋りたまに訳の分からない事がある。もと泥棒。
「この、ちんちくりんが吉原一の女を落とすって!?」
「ガキガ発情シテンジャネエヨ!」
「でもいいんですか?こんな子供が吉原を出入りするなんて?」
「ガキじゃねえよ。童貞。」
「おいてめー!今なんつったぁ!童貞の意味わかってんのか!?」
「新八よぉ、なぁにガキ相手にマジ切れしてんだ。みっともねえ。」
「そうネ、童貞!」
「てめーら童貞なめんなよ!30まで童貞貫くとなぁ、ゴッドハンドと呼ばれ、加藤のタカという存在に転生できんだよ!」
「データに書き加えときます。30まで童貞「いらねえよ、そんな情報!」」
今データが何ちゃらいったのはタマ。カラクリ家政婦だ。スナックお登勢の看板娘。
「新八、離してやれよ。でも大したもんだよ?この歳で女に興味持つなんて、英雄は色を好むってねぇ。その女に会うためにスリなんて、末恐ろしいガキだよ。」
「親のいないおいらが金を集める方法なんて限られてる。だから・・・・・」
「吉原の女つったら莫大な金が必要だろう。その日その日を生きるのもやっとなお前がなんでそんなことやってんだ?正直に離せ。」
「おいらは捨てられたんだ。生まれたときから親の顔が分からない。物心のついたときにあったのは拾ってくれたじいちゃんの顔だった。けど、そのじいちゃんも三年前に死んじまって・・・・・・でも死に際にこう言ったんだ!」
『清太よ。お前は捨てられたんじゃない。救われたんだ。お前の親は闇の中からお前を逃したんじゃ。誇りに思え。お前の母親は、今も常夜の闇の中で一人、一輪の花のごとく、燦然と輝いている。』
「母ちゃんかもしれないんだ。あの人、おいらの母ちゃんかもしれないんだよ!会って話がしたいんだ!でもなんど呼びかけても振り向いてくれない。だから客として会うために汚いことしてまで金を手に入れようとしたんだ。」
親に会うためか・・・・・
「それでもし、お前が母ちゃんに会えたとしても母ちゃんは喜ぶのか?」
「そ、それは・・・・・・」
「はあ、しょうがないねえ。働いていきな。」
ババア・・・・・
「吉原の女に会えるほどの金は出せないが、少しは足しになんだろうさ。」
「こうババアも言ってくれてんだ。もうスリなんてすんじゃねえぞ?」
「あ、ありがとうございます!」
数日が経った。
「あのガキ、ここに来てどれくらい経つ?」
「あれはとんだ拾いもんだよ。小器用で素直だし仕事ののみ込みも早い。少しはキャサリンにも見習ってもらいたいもんだよ。」
「ガキにしちゃあいろんなもん見てきたんだろうな。」
「なにより目つきが良くなったよ。」
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