マブラヴ
1056話
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んな俺の視線が気に触ったのか、若干不愉快そうな表情を浮かべて聞き返す神楽坂に、口を開く。
「やれるか? 今回復活したっていう酒呑童子が本物だった場合、召還されたのではなく実体である以上は以前戦ったようにハマノツルギで還すって訳にはいかなくなる。恐らく本物の殺し合いに等しくなるぞ? それに、お前はこのところ私生活の方で忙しくて戦闘訓練とかもしてなかっただろ。もしなんなら、お前だけでも避難を……」
「馬鹿にしないでくれるかしら。確かに私が最近超包子でのバイトはともかく、身体を動かしてなかったのは事実よ。けどね、このかを守るくらいは出来るわよ」
「……命の取り合いになるぞ? それを見ても平気でいられるのか?」
そもそも、神楽坂はその類の戦いには慣れていない。
幸か不幸か、完全なる世界と戦っていた時は向こうが人間の命を奪わないって枷をつけてたしな。……俺の命はしっかりと狙ってきたが。
それを思えば、今回のように命のやり取りを出来るかどうかと言われれば……
「出来るわよ!」
一瞬の躊躇もなくそう断言した神楽坂に、思わず目を見開く。
以前はあれだけ命を奪うという行為に忌避感を持っていた――普通に暮らしてきた女子中学生としては当然だろうが――神楽坂の言葉とは思えなかった。
「……本当にいいんですの? 実際に戦場に出てしまえば弱音を言っても他の皆さんの足を引っ張るだけですわよ?」
神楽坂の親友として無理をしていると感じたのだろう。あやかがそう告げる。
あやか自身、所属が政治班である以上は人の命を奪った事はない。
これが円であれば、シロガネのブリッジ越しではあってもBETAとの戦いをその目で見て、更には門世界で帝国を相手にした時の戦いも見ているし、魔法界で拳闘士として活動していた実績もある。
だが、そんなあやかであっても……いや、あやかだからこそと言うべきか、雪広財閥の令嬢として蝶よ花よと育てられたとは思えない程に覚悟を固めていた。
この辺はあやかの意志の強さ……より正確には、シャドウミラーで俺の側にいる為に決めた覚悟といったところか。
「だ……大丈夫よ。大体いいんちょだってそれは同じでしょう!?」
「そうですわね。……アクセル君、アスナさんは私に任せて下さいな。私も近衛さんもどちらかと言えば後衛からの援護を得意としています。本来であれば桜咲さんが護衛を務めるのがいいのでしょうが、相手が鬼ともなれば神鳴流の桜咲さんは前衛に出た方がいいでしょう」
「なるほど。そこで神楽坂を護衛として置いておくか」
「はい。幸いアスナさんの運動神経は高いですし、ここ暫くの生活の影響でお肉が増えて動きが鈍くなったとしても何とかなるかと」
「ちょっと! 誰がお肉が増えたよ!」
女としてあやかの言葉は聞き逃
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