マブラヴ
1056話
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も、月詠は詠春の話によれば教師になるべく大学生として活動しているという話だし、それが見せかけであったとしても監視の目くらいはついているだろう。
小太郎? 小太郎なら麻帆良でネギに追いつけ追い越せと修行の毎日だし、そもそも夏美がいる以上はそんな勝手な真似は出来ないと思われる。
つまり、あの時のメンバーが何かをやるというのは不可能な訳で……
そんな風に疑問を抱いていると、陰陽師にしてもこれ以上ここで時間を潰すのは危険だと悟ったのか、周囲を半ば血走った目で見回しながら口を開く。
「酒呑童子……です」
「……は?」
「ですから、酒呑童子が現れたんです!」
そう告げてくる陰陽師の言葉に、思わず一瞬動きを止める。
それは俺だけではない。あやかや円、神楽坂、近衛、桜咲の5人も同様だ。
正直、目の前の男が何を言っているのか分からなかった。
いや、言っている意味では分かる。酒呑童子が現れたと言っているのだ。
酒呑童子。平安時代……それこそ安倍晴明といった日本史上屈指の陰陽師がいた時代にこの京都に現れた鬼だ。大江山という場所に多くの鬼を従えて住んでおり、京都に住んでいた貴族の姫を連れ去っては、侍らせたり食ったりしたらしい。
その結果帝の命により源頼光と嵯峨源氏の渡辺綱を筆頭とする頼光四天王により討伐された。
特に渡辺綱は髭切りの太刀を持っている事でも有名だろう。
その討伐の仕方は、酒を飲ませて泥酔したところを騙し討ちにするという色々とアレな感じの方法だが、ともあれそれによって酒呑童子は討伐された。
……そう。つまり死んだのだ。
「何だって今更死んだ筈の酒呑童子が現れたんだ? それも、こんな朝っぱらから」
朝食を食べていたのから分かる通り、今は朝。どこからどう見ても鬼が出てくるような時間じゃない。
これがまだ夜中であれば、夏の夜という事で納得出来ないでも……いや、死んだ筈の酒呑童子が現れた時点でそんなのは関係ないか。
「それはこちらにも分かりません! ですが、酒呑童子と名乗っている鬼が多くの配下を従えてこっちに向かってきているのは事実なんです! ですから、シャドウミラーの皆さんは一旦ここを避難して……」
必死に告げている陰陽師をよそに、ふと考える。
俺の脳裏を今過ぎったのは、修学旅行で京都に来た時に戦ったリョウメンスクナノカミ。……より正確には、スライムにより吸収したその頭部だ。
仮にも神と付くだけあって、その力はかなり強力で俺に鬼神化のスキルを習得させた。
そして、今回現れた敵は酒呑童子。リョウメンスクナノカミには及ばなくても、鬼としては最上級の存在であるのは間違いない。
であれば、その酒呑童子を吸収すれば残りスキル枠が埋まるんじゃないか?
鬼にどんなスキルがあるか
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