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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
27.精霊と神と
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い出して、リングアベルはその物言いに首を傾げた。

「え?何故だ?だって状況的にも外見的にも疑わしいだろう、あいつは?」
「ほら、それ!精霊とは言え、会ったばかりの女の子に対して『あいつ』なんて呼んでる。キミのことだから女の子には直ぐに色香に惑わされて信じ切るかと思ってたんだけど、ちゃんとした考えがあるようでちょっと安心したよ」

 早く寝るんだよ?と最後に一言告げて、ヘスティアは寝床へ向かう。
 一足先に寝ているベルの元へ行ったんだろう。現在ヘスティア・ファミリアは3人全員同じベッドで寝るのが何故か通例になっている。もちろんベル・ヘスティア・リングアベルと真ん中にヘスティアを挟む形で。………余計に家族っぽい。ある意味眷属は神の家族だが。

 だが、このとき彼女は気付かなかった。
 背後にいるリングアベルが、真剣な表情で考え込んでいるのを。

「………確かに、エアリーは贔屓目に見ても可憐だった。なのに……何故俺はそのことに意識を向けずに真っ先に『疑わしい』と思ったんだ?」

 結局その日、疑問が晴れる事は無かった。



 = =



 同日、エタルニア公国総司令部。

 その日、司令部は戦争寸前かと思うほどの緊張感に包まれていた。
 それもそのはず――本日、この場所で運命の決戦が行われようとしていたからだ。

 今日初めて身に纏うエタルニア空挺騎士団の正装は、思った以上に体に馴染んだ。
 上質なレザーで柔軟性と強度をある程度両立させたシンプルな服は、荒事が多い空挺団独自の改良が施されて防具とは思えないほど動きやすい。
 赤を基調としながらもところどころに騎士らしい鈍色のプレートが光るその服装に身を包み、イデアは最後にいつもつけている黒いリボンを頭に結びつけた。

 決戦を前に、カミイズミが彼女の元に歩み寄る。

「緊張してるか?手が微かに震えてるぞ」
「……緊張って言うより、何だろう。心臓の鼓動が速いのに、頭は戦いの事でいっぱいになってます」
「フフ………武人の性という奴だな。その年で既に武者震いを覚えたか」

 偉大な父親に実力を見せる、とても大事な一戦だ。まだ15歳の少女なら緊張しても当然の筈だ。
 なのに、イデアはこの戦いに恐れを感じない。むしろその胸は時間を追うごとに高鳴っている気さえする。言うならばそう、「ボルテージ」が上がっているとでもいう感覚。
 この戦いが、楽しみでしょうがない。
 彼女の身体は今にも動き出しそうなほどに血が騒いでいた。

「とうとう、この時が来ちゃったなぁ……」
「おっと、イデア。相手はあのブレイブなのだから――訓練剣ではなくそれ相応の物を持って行け。選別だ」
「え………ちょ!?それは師匠の愛刀『伊勢守(いせのかみ)』!?」

 差
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