27.精霊と神と
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現在その情報は一部の神々と天界の方にのみ知らされているが、解決策は未だ見つかっていない。
このままでは、世界は少しずつ崩壊していくのだ。食い止める方法は一つでも多くあった方がいい。
「どんどんアテにならなくなるな、この日記………肝心なことは全然書いてない」
「それだけ未来が変わってきてるのか、それとも最初からそこまでアテにはならないのか……ま、少なくともティズとアニエスの二人は本気だ。嘘か真かはボクたちが見極めればそれでいいし、間違ってるならキミが助けてやりなよ。……ね?」
ぱちっと可愛らしくウィンクした女神に、心の靄がいくらか晴れた。
そうだ、未来によくないものが待っているなら自力で変えればいいだけの事だ。
妖精が敵か味方か見極めるのも、彼らが暴走したらそれを止めるのも、全てはこれからの話でしかない。ならば、案ずるよりも行動だ。
「しかし、日記に記された二人に出会ったわけだけど……記憶の方はどうだい?何か思い出した?」
「いやそれがサッパリでな!はっはっはっはっは!!」
「キミは本っ当に呑気だねぇ。でもそれでいいさ!人生ちょっと呑気なくらいがちょうどいい!逆にティズくんとアニエスちゃんは余裕がなさすぎるけど」
ヘスティアの言わんとすることは、リングアベルにもなんとなく理解できた。
「アニエスは気丈に振る舞ってはいるが、どこかガラス細工のような脆さを感じる。……ティズは音もなく膨れ上がる風船だな。空気を抜いてやらないと破裂してしまう」
「おお、女の子だけでなく男の子の気持ちも分かるんだ?唯の女好きでないと分かってボクも一安心したよ!」
「ついでに、女神ヘスティアが復興の話に乗ったのはあの二人を放っておけなかったのもあるんじゃないか?」
どこまでもお人よしの小さな神に、半ば確信を持って問う。
予想は見事に的中し、ヘスティアはいじけたように唇を突き出した。
「放っておけるわけないだろ、あんな危うい二人……」
「それでこそ記憶喪失の俺を拾った神様だ。その優しさがあったからこそ、俺もベルも惹かれた」
「よ、よせやいそんな言い方!まったく、またボクを口説こうとしたでしょ!」
と言いつつもやはりまんざらではないのかヘスティアはくねくねしながら照れている。
なんやかんやで眷属大好き神様だ。リングアベルだけでなくベルも含めて、その迸るファミリア愛は恋人を想うそれに近いレベルだった。神と人があまり近すぎるのはどうなのだろうとも思うが、ヘスティアが幸せならそれでいいだろう。
……その分、本格的に女が出来たら「浮気者!!」とか言って猛烈にいじけそうだが。
「………まぁ、キミがあのエアリーを疑ってるのはちょっと意外だったけどね?」
ふとヘスティアがそんなことを言
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