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トワノクウ
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最終夜 永遠の空(二)
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にそれぞれ縁ある者の骸をけしかけられて、先に立ち直ったのは黒鳶だった。だから彼はその時、混乱していた露草に発破をかけてやった。

「今度は俺が先だったぞ。ざまあみろ」

 したり顔で言いきる露草は、今、明らかに自分より一枚上手だった。

「露草さん……っ」

 くうの顔に喜色が浮かんだ。

 黒鳶は舌打ちし、苦無を引いた。刃を引いたことで、くうの手は自然治癒を始めた。

「黒鳶さん……」
「弟子の顔を立てて、今だけですよ」

 藤袴――長渕薫が命をなげうって痛みから救った少女。当の薫が死んだとはいえ、師としてその想いを蔑ろにはできない。
 それだけだ、と黒鳶は自身に言い聞かせた。






 止められた。たった二人だが、くうが争いをやめさせることができた。

「よかった――」

 くうは傷が治っている最中の右手を左手で胸に当てさせた。
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