ファンディスク:神話と勇者と断章と
VS《白亜宮》!
《夢仕掛けの神》VS《白亜の女神》
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は出来ていた。だからあくまで、ポーズでしかない。
「う〜ん……ごめんなさい、お兄様のお願いなので……私も、貴女のことを追い返さなくちゃいけないんです」
ふふっ。
そう、微かに笑う女神の表情は──もう、慈愛のそれではない。
そこにあるのは狂気。白き神を信奉する、狂信者の笑みだった。
それに気がついたその時には──
「──ッ!」
「えいっ」
既に、グリヴィネは目の前にいた。
いつのまにか、彼女の手には奇妙な形の武器が握られている。
グリップは異様に短い。古代ローマのグラディエイターが構えたと言う剣……《グラディウス》に近かった。
対する刀身は、なんと柄の両側から飛び出している。しかしそれは両剣などの刀の刃では決してなく、刃渡り30p以上はあろうと言うほど巨大な刃──どちらかと言えば、鎌のそれに近い形状だった。
血色の半透明の石……刀身の材質はそう見えた(もちろん、実際には違うのだろうが)。その表面を、クラック……或いは血管の様に、奇妙な稲妻模様が覆っている。
そんな奇怪な両刃が、そら恐ろしいほどのスピードで迫ってくる。
「くっ」
ざしゅり。グリヴィネの刃は、いとも簡単にソーニャの身体に食い込んだ。瞬間、バシュウッ! という音と共に、切り裂かれた周囲が消滅した。空間侵食──《ディメンション・イート》か。
陽炎の様に消えるソーニャの身体。その中から、無傷のソーニャが姿を現す。彼女の権能、その一端である《機械仕掛けの神の白昼夢》の、自動防御システムで死を免れたのだ。
──あまり使いたくは無かったんですけどね。
「あらあら……不思議な技をお使いなんですね」
「ええ、まあ」
「ふふっ、楽しくなってきました」
本当に、本当に綺麗に──白い女神は笑う。
「今度はこっちの番です」
しかし先手は許さない。ソーニャもまた、その夢の力で空を渡る。瞬き一つの間にグリヴィネの正面に出現し、音符の鎌を振るった。
神速。その一撃を弾く刃もまた、神速。激しい音と光、そして鎌が砕け散る音。
空間捕食で刀身を奪われた鎌を投げ捨て、次の鎌を抜き放つ。
「《機械仕掛けの神の悪夢》」
その詠唱と共に、彼女を取り巻く獣達が姿を現す。それは竜だった。それは馬だった。それは亀だった。それは鳥だった。
神竜、麒麟、霊亀、鳳凰──四聖と呼ばれる神の獣。それらを呼び出し、女神へとぶつける。
「うーん、召喚獣はズルいですよー……私、ずーっと制限してきたのに」
ゾクリ。
柄にもなく、ソーニャの背筋が冷たくなる。
何かが来る。それが何なのかは分からないただ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ