11部分:第十一章
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ァイルが姿を現わしたのである。
「どうぞ」
そのうえでそのファイルを沙耶香に手渡した。彼女はそのファイルを受け取った後で速水に対して言った。
「どうやらまた力が強まったようね」
「そうですね。隠してはいますが」
「隠していてもそれだけ出せるというのは凄いは」
「そうでしょうか。最近ではこの力に恐れさえ抱いておりますが」
速水は少し自嘲気味に笑ってこう述べた。
「何処まで強くなるのか。そしてそれをコントロールしきれるのかね」
「それは安心していいわ」
「何故に」
「貴方ならね。どんな力でもコントロールしきれるわ」
「買い被りだと思いますが」
「そうかしら、私はそうは思わないわ」
沙耶香は速水を見て笑っていた。うっすらとした笑みであったが確かに笑っていた。その笑みには普段の誘う様なものも艶やかなものもなかった。彼女にとってはあまりにも意外な、ごく普通の穏やかな笑みであった。
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