第二十七話 白川中佐!鉄棒は逆上がり!!その十二
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「ジャスティスカイザーの時だけ滑べろ!」
「そうだ、それで失敗しろ!」
「鉄棒から落ちて死ね!」
「地面に頭ぶつけて死ね!」
「悠木大将頑張って下さい!」
「白川中佐勝って下さいね!」
日帝衆の二人にはこうした調子だった、とかくジャスティスカイザーの人気は相変わらずな調子だった。そして。
二人はだ、子供達に今回も右手の中指を立ててスーツの頭部の上から青筋を立てつつ怒った顔で言い返した。
「だからうるせえって言ってるだろガキ共!」
「本当に奈良のガキはタチ悪いな!」
「大仏に踏まれてろ!」
「鹿に角の一撃浴びて死ね!」
まずは悪態で返してだ、今度は。
自分達の間でだ、カリカリとして言い合った。
「まあとにかくな」
「ああ、お互いにな」
「決めてやるか」
「それにな」
そして、というのだ。
「決めてやるか」
「ああ、絶対にな」
「また一つな」
「やってやろうぜ、兄貴」
二人でマスクの下でニヤリと笑う、そこで。
二人はまずは大車輪をそれぞれ千回転してみせた、それも一瞬で。
そしてだ、それが終わって体操の様に着地してだった、二人で。
悠然として去った、だがここで。
不意にだ、尚武が尚智に問うた。
「兄貴、やったな」
「ああ、勿論だよ」
尚智もこう答えた。
「仕込んでおいたぜ」
「だよな、俺もだ」
「鉄棒だからな」
「こうしたことはしておかないとな」
「まあ失敗しなくても」
「減点は免れないからな」
こう話してだ、二人は悠然として去った。
そして瞬と白川が子供達と自衛官の人達の応援を受けつつ大車輪に入った、しかし回ったところでだった。
二人は握るその手にだ、違和感を感じだ。
「滑る!?」
「これは一体」
「何とか掴めるけれど」
「動きが」
鉄棒は手の握りが重要だ、そこをどう握り動かすのかで大きく決まる。しかしその手がなのだった。
「ぬるぬると滑って」
「思う様に」
「これは」
「まさか」
「それは勝負の後で言うぜ!」
「俺達の今回の秘策はな!」
こちらの二人は胸を張って堂々と言う。
「勝利の判定の後だ!」
「どっちにしても俺達は完璧にやったぜ!」
「今回のルールも完璧に守ってるぜ!」
「ちゃんとな!」
「それは後で言ってやる!」
こう言って豪語したままだった、二人は瞬と白川の大車輪を見守った。二人は何とか大車輪は出来たが。
それは何とかだった、姿勢や握り方は散々だった。
その為だ、山田さんも苦い顔で言った。
「勝者、ジャスティスカイザー」
「見たか、俺達も勝ったぜ!」
「今回もな!」
ここで勝ち誇る二人だった。
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