第四十二話 決勝戦その二
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「悔しそうな顔でも」
「あれは負けてもね」
「また向かって来るね」
「多分今回の敗因を学んで」
「さらに強くなるんだ」
「あの娘もっともっと強くなるわよ」
真剣な顔でだ、僕に話してくれた。
「そうした意味でも天才ね」
「気性的にもだね」
「ええ、そうよ」
まさにというのだ。
「あの娘はね」
「じゃあ来年は」
「もっと強くなるわ」
「優勝するかな」
「するわ」
池田さんは僕に強い声で答えた。
「怪我しないかコンディションが悪いかじゃないと」
「もっと強くなって」
「スタミナもついて」
今以上にというのだ。
「それにね」
「それになんだね」
「多分。休憩の仕方もね」
日菜子さんが出来ていたそれもというのだ。
「出来るわ」
「来年が怖いね」
「ううん、そうね」
「あの娘とうちの生徒の娘が試合をすることになったら」
その時はというのだ。
「怖いわね」
「さらに強くなるから」
「怖いね、そう考えると」
「とてもね、まああの娘の話は置いておいて」
そしてというのだ。
「日菜子先輩はね」
「あの人は休まれていて」
「次の試合になるわ、それとね」
「それと?」
「今度の相手の人は」
相手の人の話になった、ここで。
「北海道の人なの」
「北海道なんだ」
「日菜子先輩沖縄の人でしょ」
「生まれ育ちはね」
儀武という名前がだ、そのまま沖縄生まれであることを示しているとだ。日菜子さんがご自身から僕に話してくれたこともあった。
「そうだよ、今は兵庫におられるけれど」
「八条荘にね」
「元々はね」
まさにだ。
「沖縄の人だよ」
「それで相手の人はね」
「北海道だから」
「丁渡日本の北と南ね」
「北の端と南の端だね」
「そうなるわね」
「そうだね、八条荘にも北海道の人いるけれど」
僕は北海道と聞いてふと美沙さんのことを思い出した。
「同じ学年でね」
「確かバスケ部の」
「そう、水橋美沙さんね」
「あの娘北海道だったわよね」
「札幌だよ」
美沙さんはあの街の出身だ。
「あそこで生まれ育ったんだよ」
「そうなのね、相手の人は函館だけれど」
「北海道の入口の」
「五稜郭のあるね」
あの幕末の戦争の話もだ、ここで出た。
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