第6章 流されて異界
第123話 四ジゲンと五ジゲンの間にある物
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て、三学期の最初の日、などと言う事に成り兼ねませんから。
冬休み前半に予定……強制されている補習授業などブッチする気満々ですからね、俺は。何が楽しくて高校一年生の冬休みの補習を二年連続で受けなければならないのか。
「まぁ、今から予定を入れるのが可能なのは、この文芸部の部室でクリスマス・パーティを開く。カラオケにでも行って、其処でクリスマス・パーティを開く。何時も通り、長門さんの部屋でクリスマス・パーティを開いて、そのままの流れでお泊り会となる」
妥当なトコロではこの三つぐらいだろうな。
少し行儀が悪いけど、弁当を食いながらそう提案する俺。一番、可能性が高いのは三番目。この部室でパーティを開くのは料理の点で問題がある。カラオケの場合は時間的な問題。あまり遅くまで騒ぐと言う訳にも行かないので、朝倉さんの目的と言うヤツには合致しないと思う。
しかし……。
「それって、あまりにも在り来たりよね」
何か無難に纏めたって言うか、意外性に乏しいって言うか。
さっき、完全に沈黙させたはずのアイツが復活してきて、矢張り、俺の意見にイチャモンを付けて来る。
「まぁ、あんたの見た目や能力が普通じゃないのは認めるけど、そんなんじゃつまらないじゃない。折角のクリスマスなんだから、もっと、こう意外性に満ちた物でないと」
かなりのイベント好き……と言うか、中学時代はその言動の奇矯さから孤立していたらしいハルヒが、クリスマスなどと言うイベントを放って置く訳はない。……のでしょうが、それにしたって、その曖昧な表現で意外性に満ちた物、などと言われても……。
「例えば、どんなモンがお好みなんや、ハルヒは?」
わぁ〜とやって、ドカンと成る、などと言う、最早日本語として成り立っていないモノは却下やからな。
実はみんなでワイワイと騒ぐのは嫌いではない俺。ただ、クリスマス・パーティとなるとプレゼントと言う問題があるので……。
正直に言うと、何を渡したら喜んでもらえるのか分からないので、実は回避したいのですが。
「そうね、例えば――」
誰かに聞かせる為ではなく、独り言を呟くような小さな声でそう言った後、何処か遠くに視線を送るハルヒ。もっとも、本当に何処か遠くを見つめている訳などではなく、何か考えて居るのでしょうが。
「例えば温泉旅行ね。ちょうど、商店街で歳末のガラポン抽選会の一等の賞品が温泉旅行だったから――」
そう言ってから、それまで何処か遠く。もしかすると、その抽選会の会場か、もしくは既に温泉旅館にまで飛ばしていた意識を俺の方に向ける。
そして、
「あんた、その福引を当てて来なさい」
これぐらいの意外性が有れば合格点かな。
後、欲を言えば、その旅館には曰くあり気
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