第6章 流されて異界
第123話 四ジゲンと五ジゲンの間にある物
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だから、少しは強引に成っても良いと思いますよ」
涼宮さんの場合は。小悪魔の笑みを浮かべてそう締め括る朝倉さん。しかし、今まで、朝倉さんは俺の味方……と言うか、有希の味方で、その付属物として俺を認識しているのだと思って来たのですが……。
これは――
「長門さんや万結に関しては、料理の腕を磨きたいから、と言う目的があるから俺の弁当を作って来てくれている、と言う事は理解出来ているのか?」
明らかにハルヒを煽っている。確かにハルヒ自体がへそ曲がり故に、この程度の煽りで動き出すとは思えないけど、もし、彼女がこの言葉を真に受けて行動に移した場合、俺は基本的に押しに弱いので――
しかし、当のハルヒはと言うと――
「あたしは別にそんな事がしたかった訳じゃ――」
今は俺の状況を見る余裕さえない雰囲気。この感じならば、明日、明後日の間にハルヒが弁当を作って来る、などと言う事はないでしょう。その二日を乗り切れば、二十一日は土曜日。その日から二十三日までは三連休となり、二十四日は終業式。
そうか、後少しでクリスマスか……。
ハルケギニアではそんな日の事など忘れていただけに、この世界の平和を改めて感じる俺。もっとも、この世界が取り立てて平和だ、などと言う訳ではなく、ハルケギニアの状況が不穏で有り、且つ、俺自身の置かれた立場と言うヤツが、のんべんだらりと怠惰に過ごす事が許されない立場にあった、と言うだけの事。
……事件が起きて居て、且つ、事件が起きて居る事に気付いた場合。更に、その事件を解決するだけの能力が有る場合に、その事件を放置して仕舞っては、俺の所属する洞統の戒律に違反する事と成ります。
為政者が解決……人間レベルで解決出来る問題。例えば、無知などから発生する貧困や飢餓。主義や主張の食い違いから発生する戦争などに、直接、大規模に関わる事は禁止されていますが、ハルケギニアで起きて居る事件の裏側には、何モノかの介入を窺わせる部分がありますから。
人の力だけではどうしようもない、危険なモノの存在が――
「所で、SOS団としてのクリスマスの予定はどうなっているの?」
私は従姉妹と二人暮らしで、従姉はクリスマスには用事が有るらしいから、割と暇なんですよね。
俺が少し意識を別の方向に泳がせていた瞬間、唐突に話題の転換を行う朝倉さん。
もっとも、完全に違う話題、と言う訳ではなく、一応、先ほどまでの話の流れをトレースしているのは間違いない。
彼女は、俺が有希の部屋で暮らして居る事に、薄々感付いているみたいですから。スタートラインで出遅れているのに、冬休み開始直後のクリスマスに何のイベントも用意しなければ、そのままお正月もスルーとなる可能性が高く成り……。
次に顔を合わせるのは正月が終わっ
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