第6章 流されて異界
第123話 四ジゲンと五ジゲンの間にある物
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。
尚、俺自身が作ると言う選択肢は初めから存在していない。
「これで、ゆ……長門さんや万結の弁当まで禁止されたら、俺は昼に何を食えと言うんですか」
結局、すべての元凶はハルヒ。妙に高いレベルの壁を設定――いや、球技大会の時の設定は高校生が越えられる壁とは考えられなかったけど、その壁を越えると悪目立ちになって仕舞う。
もっとも、どちらもハルヒの意志が働いているのは確かなのですが、それと同時に有希の意識も強く作用しているように感じるのですが……。
例えば、試験の時にはハルヒよりも先に完璧に試験の内容を予想した問題を用意したり、九組の三番を敬遠しようとしたのを拒否したり、最後の場面では、一瞬、俺の意図を見誤って、俺があっさりと敬遠される心算だと勘違いしたりもしましたから。
最後の場面。逆転打は自らが打つのではなく、俺に打って欲しいと考えて居た事が、あの一瞬の空白から感じ取る事が出来ました。
ぐうの音も出ないハルヒが視線を逸らした事により、今回は俺の勝ち。昼休みは十三時三十分まで。残り後、三十分で弁当を終わらせる必要ありか。
元々、そんなに慌てて飯を食う習慣がないのと、本当にある程度、彼女らの料理の腕前を判定する必要があるので……。妙に昼食に時間が掛かっている状態。
何にしても、話が終わったのだから飯の再開。半分ほど平らげた後に、妙に噛みついて来たハルヒの相手をした事によって、お預け状態と成っていた弁当の方に向き直る俺。
しかし……。
「つまり、武神くんに自作のお弁当を食べて貰いたければ、実費のみは受け取るけど、それ以外の要求をしなければ食べて貰える。そう言う事でしょう?」
それまで小さな声でツッコミを入れて居ただけの朝倉さんが、先ほどの俺のハルヒに対する説明の穴を付いて来た。
そう、あの内容なら、そう受け取っても間違いではない。あの会話の中には、俺と有希や万結の関係は一切、触れていないから。
まして有希の事を、未だ長門さんと妙に他人行儀な呼び方をしていますから。
「そもそも、御昼にお弁当を作って来て、と長門さんや神代さんに武神くんが頼んだと考えられない以上、最初はふたりの内のどちらか一人が作って来たと考える方が妥当でしょう?」
折角、ハルヒを丸め込めたと思ったのに、余計な言葉を続ける朝倉さん。
尚、彼女の推理は大筋を外していない。弁当を最初に作ったのは有希で、次の日に持って来たのは万結だった。
そして、おそらくこの程度の事は、ハルヒも気付いて居ると思う。但し、彼女は気付いてもそんな事は出来ない。
間違いなく、俺の方からハルヒに頼み込まない限り、自分から俺の分の弁当を作って押し付けて行く事など出来ない、と言う事。
「スタート地点から差が付いて居るの
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