第6章 流されて異界
第123話 四ジゲンと五ジゲンの間にある物
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事ですか。裏の世界に身を置いて居た人間としては。
「まして、ハルヒの御蔭で試験の結果もすこぶる良かったからな」
更に、少しの嫌味を籠めた口調で続ける俺。
そう、あの球技大会が開かれた理由と言うのが、教師たちが直前に行われた二学期末の試験の採点及び、二学期の成績を付ける為に設けられた時間。そして、俺はハルヒの命令により、無理矢理に試験勉強をさせられた結果……。
俺がタバサにより召喚される前に通っていた高校と言うのは、この北高校に比べると偏差値にして五点ぐらい上の高校。更に、俺が暮らして居たのは二〇〇三年の世界。つまり、俺に取って二〇〇二年の二学期末の試験と言うのは一年前に一度受けた試験。
そして、俺の学校の成績と言うのが……某赤門で有名な大学にストレートで合格する生徒が数人いる高校で、得意教科ならばその数人に入る人間。ついでに言うと、不得意教科ならば、二桁の得点が有ればガッツポーズだった。
「小学校時代にモテる男と言うのはスポーツで目立つ男の子。中学生になると、其処に喧嘩が強い男と言う選択肢が加わる」
そして、高校生になると頭の良い人間がモテるようになる、……と言う言葉の意味がようやく理解出来たよ、本当にな。
かなりの嫌味。ただ、球技大会で活躍させられた理由だって、元はハルヒが余計な賭けを受けて、俺が賞品にされて仕舞った為。
そして、決勝の相手が人外の存在であったが故に、他のメンバーを隠れ蓑にして、俺自身があまり目立たないようにする、などと言う小細工が出来なかったのも悪い方向に作用して仕舞った。
「結果、運動系の部活からはひっきりなしに誘いの声が掛けられ、遠巻きにした女の子たちからは好奇の眼差しで見つめられる。あんなトコロで飯が食えるような図太い神経は、残念ながら俺は持ち合わせてはいないんだよ」
特に見栄も外聞もかなぐり捨てて動いた野球部からの勧誘には、流石に辟易とさせられましたから。
確かに一気に四人の部員が抜けた野球部です。その代わりの新たな部員の勧誘に動くのは分かりますし、それに、球技大会での俺の活躍は実際の映像と言う証拠が残っているので勧誘し易かったのは分かりますが……。それにしたって、俺たちに多大なる迷惑を掛けたのは、その辞めた野球部員たちじゃないですか。
それで仕方なく、静かに飯が食えるトコロを探すと、矢張り、ここ。文芸部の部室しかなく、そして、購買でパンを買うのも結局、不特定多数の人間の前に出て行く必要が出て来るので、それもダメ。
でかい男に、公衆の面前で土下座をされて気持ち良く感じるヤツは既に心が腐っているわ。
結局、巫蠱の術の修業の一環として有希と万結が交代で俺の弁当を作る事となった。
これが、学食派だった俺が、急に弁当持参になった理由
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