第6章 流されて異界
第123話 四ジゲンと五ジゲンの間にある物
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人からの毒電波を受けて、かなりイッチャッて居る内容――真面な会話の成立しない少女。
俺を相手にする時は、俺の微妙な立ち位置が気に入らないのか常に不機嫌、と言う、可愛げがあるのだか、ないのだか分からない対応しか出来ない少女。
俺が思うに、……なのですが、その部分。彼女の心の奥深くに存在する感情は嫉妬。彼女自身が気付いているのか、将又、気付いていないのか定かでは有りませんが、少しばかりの嫉妬が含まれているのは間違いないでしょう。
但しこれは、ハルヒ自身が俺に対して恋心に近い物を抱いて居る、と言う訳ではなく、まるで気のない相手であったとしても、その相手が明らかに順位を付けて同じ女性と接して居る事が分かって、その自分の順位が案外低いと言う事に対する嫉妬心と言う物を抱いて居る、と言う事だと思いますね。
ここから発展すれば、もしかすると恋に発展するかも知れませんが――
いや、彼女に取って、更に言うとこの世界にとっても仮初めの客に過ぎない俺には関係ない話ですか。
ほんの少しの寂しさを感じながらも、そう考える俺。その瞬間、背中に視線を感じたような気がしたけど、それは無視。
彼女との関係についても未知の部分が多すぎるから……。多分、彼女が言うように、俺と彼女の間に何らかの繋がりがあるのは確実なのでしょうが――
まして俺の方から言わせて貰うと、この場合の人間関係に順位を付けるのは当たり前。有希や万結は自らの背中を預ける相棒ですが、その他の人間。特にハルヒは一般人扱い。
ここに扱いの差が現われたとしても不思議ではない。
そもそも、俺が近付くと言う事は、俺の方の事情にその人間を巻き込んで仕舞う恐れがある。一般人……と言うには問題があるけど、それでも未だこちら側の世界を興味のみで覗き込んで居るだけならば、彼女を俺の世界に巻き込む訳には行きませんから。
「十二月十八日でしょ」
それがどうしたって言うのよ。
俺の意図が見えないハルヒが、それでも律儀に答えを返してくれる。
そう、今日は十二月十八日。有希が言う事件が起きるその日……のはず。
朝から悪かった天候は未だ改善されず、シベリアから呼ばれもしないのに張り出して来た寒気団がこの時期に相応しい気温で日本を覆い尽くしている一日。
ただ、どうも、有希が俺の知っている普段の長門有希と一ミリすら違う様子もなく、世界が昨日までと違う世界に相を移しているような気もしないので……。
俺と有希の警戒は正に杞憂に終わる可能性の方が高いでしょう。
自らの思考は少し別方向。しかし、あまり心ここに在らずの態度を表面に出して仕舞うと、その事を理由に更にハルヒが怒り出す可能性が高いので、表面上は彼女との会話に集中している振りを続ける俺。
そして
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