第十六話
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確かに、お前は強くなったかもしれない。その力で寄生根を斃すことはできるかもしれない。でも、人に寄生する前のサイクラーノシュの寄生根を見つけることができるというの? いいえ、それは出来ない。……それは理解できるわね? 」
「ああ。それはわかってるよ。……でも」
自分の無力さが何とも言えなかった。
日向寧々を護れなかった後悔が再び沸き出して来るんだ。
どうしようもない無力感。
王女は俺に近づくと背中を優しく撫でる。
「お前の言いたいことはわかる。……でも、認めなさい。全ての人間を救えるほどお前の両手は大きくないということを」
彼女を見つめ俺は頷くしかなかった。
「ここでヤツを逃がしてしまえば、次はどこへ行くかわからない。わたしたちが見つけられる場所にいないと何の手も打てなくなる。そうなるとあいつは宿主を次々と乗り換え、どんどん強くなる。当然、犠牲者も増え続けることになるわ。
……もっと問題なのは、最初の戦いでヤツは気付いてしまったということよ」
「え、それは……」
「ヤツの力では、わたしを捕らえる事ができない可能性が高いということを、よ。
お前の力を見てしまったヤツにとって、お前を斃さなければわたしを捕らえることはできないことを理解した。そして、それを行うには相当な労力と犠牲、時間が必要だと認識させられたはず。……つまり当初目的を達成するのは困難だと判断していると思うわ。
ならば、目的を達成を出来るようにするためにはどうすればいい? と考えるわよね。つまり、より確実な手段をとるはずよ。それは、向こうの世界のサイクラーノシュ本体をこちらの世界へと導くために【第二の目的】達成の方へシフトする可能性が高まったということ」
「つまりはこちらとあちらの世界の結界を解くいうのか? でもそれってどうやるんだ? 」
なんかSF? ファンタジー? じみた話が展開されているため理解力がついていかない。俺の知っている世界がどんどんおかしくなっていく。
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