マブラヴ
1054話
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勿論それだけではなく、他にも煮物や簡単な鍋も出された。
……真夏に鍋ってどうよ? と思ったが、そこはさすがに関西呪術協会。腕利きの陰陽師が揃っていて、部屋の気温を低くして真夏の中に真冬並みの気温を再現してくれた。
もっとも、俺の場合は暑さとかあまり関係ないんだが……俺以外の、あやかや円、神楽坂、近衛、桜咲なんかは暑さに参っていたしな。
そういう意味では、陰陽術で部屋の中を思い切り寒くして鍋を食べたというのは色々と珍しい体験をしたと思う。
真冬にエアコンの暖房で部屋の中の気温を上げてアイスを食うような感じな訳だ。
そう思えば分かりやすいと思う。
まぁ、家電か陰陽術かで違うところも結構あったりするが。
「え? アクセル君、何か言った?」
俺の隣に来た円が、首を傾げて尋ねてくる。
「いや、何でもない。それより、近衛とかはどうしたんだ?」
部屋の中を見てみると、少し前までいた近衛と……桜咲の姿もない。
まさかこの場所で関西呪術協会の奴等に連れ去られたとかはないと思うが、一応念の為に尋ねる。
だが、戻ってきたのは小さく肩を竦める円の姿だけだった。
「あの2人ならお父さんと話してくるって、ちょっと前に出て行ったわよ。シャドウミラーに就職するにしても、今日やったみたいに全員の前で説明するんじゃなくて、きちんと親子で話したいみたい」
「……親子、ねぇ。護衛の桜咲も一緒に行ってるみたいだが?」
「あははは。まぁ、護衛なんだからしょうがないわよ。実際、ここでの危険はもうないって分かっていても、どうしても修学旅行の件が思い浮かぶんでしょうね」
「あー……確かにあの時は色んな意味で酷かったものね」
「確かにそうですわね。特に円さんなんかは、魔法に関わったのはあの時が初めてでしたし」
俺と円が話していると、神楽坂とあやかがそんな風に話ながら近づいてくる。
そう言えば、確かにそうか。カモの奴が仮契約の魔方陣を宿に使って、朝倉と共に妙なゲームをやったのが原因で円と美砂を魔法の世界に引き込んだんだったな。
もしもあの時にあんな事がなければ……もしかしたら円と美砂は、今でも普通の女子大生をやっていたのかもしれない。
勿論3-Aの生徒であった以上は魔法に関して知る事にはなっただろうが、それでもここまでどっぷりと魔法には……
そんな風に思っていると、不意に感じる右腕の柔らかい感触。
そちらに視線を向けると、そこでは円が俺の右腕を思いきり抱きしめて双丘がぐにゅりと押し潰されていた。
「アクセル君の事だから何を考えているのかは大体分かるけど、私はこの世界に足を踏み入れた事を後悔はしていないわよ。何て言っても、もしも私がアクセル君と仮契約を結んでいなければ、私はこうしてアクセル君の恋人に
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