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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第40話 燦 陽海学園へ
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んだ…… 必ずまた合いに来るから…それは約束するよ。……俺が約束を破ったことあるかい?』

 こういったセリフ、それは何か、ワンパターンのような気がした。誰もが使いそして古した言葉だと。でも、燦にとっては違う。これまで、ジャックが嘘をついた事など無かったから。

〈うん……無い…〉

 少し顔を暗めながらもきっぱり答えてくれた。

〈…わかった。お父さんの言う通りにする…〉

 最後には 燦は分かってくれた。ジャックは、燦の頭を撫でると陽海学園へ向かったのだった。

 以前貰ったVIPカードにはある機能がある。
 それは、妖力を送ることによって、陽海学園のバスとコンタクトを取れるようになっていた。

(今まで気付かなかった…な…)

 何故なら、使い方を教えてくれてないからである。知ったのは、携帯電話で 御子神と連絡を取ったからだ。……くれたその時に教えるべきだ! と、ジャックは思っていた。 そうしてくれていれば、街で暴れてる妖を引っ捕えた時、もっと楽に護送出来た筈だから。




 陽海学園のバスが来るまで2人は、バス停のベンチに座って待っていた。そんな時だった。
 袖が引っ張られる。……燦がジャックの服を引っ張っていたから。

〈……やっぱりどうしても…お父さんと……別れなきゃ駄目なの…? 離れないといけないの……?〉

 と。とても悲しそうな顔をして、そう言っていた。

『燦……』

 ジャック自身も燦のことを自分の娘のように思っていた。離れるのは非常に辛い選択だ………、自分が見ている先は……《人間と妖の共存》の事だ。

 ……ここ最近は燦とともにいることからか、争いがありそうな気配がしても向かってなかった。まだ子供の燦に戦いをあまり見せたくなかったのだ。

 そして他の妖を攻撃する自分の姿を、見せたくなかった、と言う想いが一番強かったのかもしれない。まだ、子供である燦に、あの御伽の国(フェアリーテイル)と戦っていた時の様な姿を……。


“ぎゅっ”

 ジャックは燦を強く…強く抱きしめた。想いが、伝わるように。燦の事を、いつも想っていると。

「ッ…………………」

 燦はスケッチブックを落とし、ジャックを抱きしめ返した。燦もまた…ジャック…お父さんに想いが伝わるように…と、抱きしめ返していた。






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