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戦国異伝
第二百十九話 九州に入りその十四

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「本陣が来てからな」
「島津の軍勢と」
「決戦ですな」
「そうなる」
 こう言ってだ、そしてだった。
 信長は家康に肥後の方を任せて自らは日向の方に向かった。様々な色の軍勢が信長の馬印の下進む。その彼等の姿を見て。
 島津の忍達は木陰からだ、鋭い目で話した。
「兵は二十五万か」
「それ位じゃな」
「徳川の兵が肥後に向かった」
「そして太宰府にも備えを置いた」
「そして二十五万の兵でか」
「殿の方に来るか」
「ではな」
「戦は避けられぬな」
「戸次川の方に向かっておるな」
 軍勢の進む場所も確かめられた。
「あそこにか」
「ではな」
「殿にこのことをお知らせしよう」
「すぐにな」
 こう話してだ、そしてだった。
 忍達はすぐにだ、このことを義久に伝えた。義久もその報を聞いて弟達に対して強い声でこう言ったのだった。
「ではな」
「はい、戸次川に」
「あの川に向かいましょう」
「これより」
 弟達も応えた。
「そしてですな」
「あの川において」
「戦ですな」
「あそこで決めたいのう」
 織田家との戦をというのだ。
「一戦でな」
「分けて」
「そうして」
「やはり勝てぬ」
 織田家にはというのだ。
「何もかもが違う、しかしじゃ」
「九州を手に入れる」
「この地を全て」
「その為には」
「戦わねばならぬからな」
 そして戦うからにはというのだ、こう話してだった。
 島津の軍勢は戸次川において織田の軍勢との戦いに赴いた。九州を定める戦がはじまろうとしていた。


第二百十九話   完


                         2015・3・4
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