第二百十九話 九州に入りその十三
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「一軍を率い」
「うむ、日向に向かう」
「そこから大隅まで、ですな」
「攻める、そしてもう一方の軍はじゃ」
信長は今度は家康を見た、そして彼に言った。
「竹千代、御主に任せたい」
「それがしに」
「徳川家の軍勢にじゃ」
彼等に加えてというのだ。
「九州の兵もじゃ」
「では徳川家の四万に」
「大友、龍造寺等の兵を付けてな」
「南にですな」
「肥後から薩摩を目指すのじゃ」
「さすれば」
「島津をそうして攻めてじゃ」
そして、というのだ。
「勝つぞ」
「さすれば」
「さて、島津は合戦となると」
信長は伝え聞く島津の戦のことも言った。
「多くの敵兵を倒さんとするな」
「では」
信忠が父に応えた。
「我等の方に主力がきますか」
「肥後に向かう竹千代の方にも兵はいくが」
それでもだというのだ。
「それが抑え程度でじゃ」
「我等に対して」
「決戦を挑んで来る」
「左様ですか」
「おそらくわしを生け捕りにせんとしてくるわ」
こうも言うのだった。
「だからじゃ」
「島津家は我等に対して」
「決戦を挑む、その最初にじゃ」
戸次川でというのだ。
「あそこで一戦じゃな」
「では」
「奇妙、行くぞ」
信長はまた自身の嫡男に言った。自身がまだ元服して少し経った頃に非常によく似ているが幾分か温和さもある顔の彼に。
「これよりな」
「さすれば」
「先陣はこれまでと同じじゃ」
信長はこうも言った。
「信玄、謙信でじゃ」
「そしてですな」
「わたくし達が先陣として戦い」
「それからじゃ」
あらためてというのだ。
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