23部分:第二十三章
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れていたから」
「綺麗だったでしょ」
「とてもね。まるで生きているみたいだったわ」
「だって生きているんですもの」
シスターは妖艶な笑みのままこう返した。
「生きている」
「そうよ。彼女達は人形にされただけ。ちゃんと生きているわよ」
「それを聞いて安心したわ」
沙耶香の顔に安堵の笑みが微かに浮かんだ。
「死んでいたら。私の御馳走がなくなるから」
「御馳走ね」
「女の子はこの上ない御馳走よ」
その趣味の対象として。
「もっとも貴女と私では楽しみ方が違うみたいだけれど」
「私は彼女達を食べたりはしないわ」
このシスターもどうやら同性愛者の様である。だがその嗜好は沙耶香のそれとはいささか違っていた。
「眺めて、飾っておくのは好きだけれど」
「勿体ないわね、それじゃあ」
当然沙耶香はそれには賛同しなかった。彼女にとってはまずは肉欲こそが第一であるからだ。
「味あわないなんて」
「貴女にはわからないでしょうね。美しいものを側に飾っておくことの素晴らしさが」
「ええ、そんな趣味はないから」
沙耶香もそれは認めた。
「私は芸術品は実際に味わう趣味なのよ」
「グルメというわけね」
「そして貴女はコレクター」
「ええ」
シスターはその言葉に頷いた。
「そしてこれからもそれは増えるわ」
「残念ね、それは今日で終わるわ」
「貴女に倒されて?」
「そうよ。覚悟は出来てるわよね」
その氷の刃が大きくなる。剣になった。青い刀身を持つ剣であった。
「これが仕事だから。悪く思わないでね」
「それじゃあ私も見せないと駄目ね」
シスターも身構えた。その周りから何かが出て来る。
「私の技を。かかって来なさい」
それは人形達であった。マネキンである。それ等が床から出て来た。そしてシスターの周りを取り囲んでいた。
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