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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第126話 シルフの大魔法使い
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…おっ? 何あれ?? プレイヤーかな……?」

 気づいたら、凝視していた。その飛ぶ姿に。飛ぶ際に放つ色……輝きは殆ど固定されており、変更は出来ない。

 シルフであれば緑、サラマンダーであれば赤、スプリガンであれば黒といった具合に。

 だが、あれは銀色。雪の様な色も加わっているから、白銀、といった所だろうか。……飛ぶ際に、何か魔法を使っているのだろうか?と頭に過る。
そして。

「……なんか、気になる」

 ……自分の沸き上がってくる探究心が抑えられない様子。

 ここらでの魔法の技能(スキル)研究はもう殆どし終わった所だ。シルフが習得出来る魔法で、現在アップデートされている魔法スキルはもう完全に覚えた。そして、その他の種族のモノも殆ど把握しているし、習得は困難だが問題なく覚えられた。

 だから、知らない魔法はもう恐らくない……と言えた。

 ……言えた筈だった。視覚のみだけに作用する魔法は聞いた事無いし、知らない。もしも、エフェクト効果と共に、飛行中に何か発動するのなら、なお気になる。

「あんなの見た事無いし……」

 周囲に出しているウインドウの全てを消し、ゆっくりと起き上がる。そして、窓から一気に飛んだ。

「あの方向……は、ん。北東のフィールド……古森か。あそこに降りていってるし」

 大体の場所を把握すると、ぐっと、背伸びをした後に翅を広げる。

「あれ? 珍しいね。どっか行くの?」
「……んん? なんだ、レコンか」
「『……なんだ』 って、ちょっと酷いよ」

 降り立った場所が、丁度町のメイン・ストリートだった。だから、結構目立っていた様で、レコンの目に止まったらしい。

「あんた1人? リーファはどうしたのよ。あんたって、いっつもリーファにくっついていたし。ついに愛想つかされちゃった、とか?」
「う゛う゛……酷いよぉ……」
「……鬱陶しいなぁ。あ、あたし、そろそろ行くから」
「う〜……って、あれ? 殆どゲーム世界の《ひきこもり》状態だったのに、どこかに行くの?」
「………」

 レコンの言葉を訊き、……ぴくり! と眉が釣り上がった。
 そして、その言葉を聞いた瞬間、彼女の周囲に文字が躍り出た。光り輝く文字は、言葉を発する事に、一文字、一文字の光が選ばれていく。それが、1つになった瞬間、拳大より一回りは大きな炎の玉が、空中に出現。

 その数は示して10弾。

 その者の周囲に、ふわりふわりと浮かび、周囲を漂っている。

 こんな公共の場であるし、普通であれば、周囲も驚くかと思われるが、実はこれはいつもの光景だったりするのはこちらの話……。

「え、ええ? あ、あれ? 火の魔法のファイヤー・ボールって、そんな数、滞空出来たんだっけ??」


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