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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第126話 シルフの大魔法使い
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 その後、リーファ達は午後3時から行動を開始するらしい。一応、その時間と場所を聞いたが……。

「……今は色々と考える時間が欲しい、からな」

 ドラゴは合流するつもりは無かった。少なくとも今は、だが。

 だからこそ、何かあればメッセージを、とも言ってるし、登録もした。……自分がソロを貫く理由は、はっきりとしている。なぜか判らないが、はっきりと思い出せれていた。……辛く、そして苦しいあの記憶を。

 それは、目を閉じていても無理やり砂をねじりこまれる様な。……息を止めても、肺を内側から焼かれる様な。

 そんな地獄とも言える体験。

「……サニー」

 呟くのはかつての仲間。共に仕事をし、そしてゲームでも遊んだ。……初めてのパートナーだった。そして、初めて直接遊んだ同世代の子だった。

 とある陰謀を暴く為に、協力していた。でも……失敗をしたんだ。そして、サニーは……。

「っ……」

 ドラゴは、唇をぎゅっと噛んだ。
 恐らく現実であれば、唇が噛みきれ、血が滲み出てもおかしくないほどの強さで。

 その時だった。

『――抱えこまないで』
「っ!!?」

 また、声が聞こえてきた。




――……サニー??




 一瞬ドラゴがそう思ったのも無理はないだろう。

 だが、それは違った。

 ……もう10年以上も昔の話だけど、はっきりと覚えているから。声は、まだ続く……。

『――苦しいなら、はき出せばいいって思う』
「………」

 その声にだけ、ドラゴは集中させた。



――なぜだろう……。



 現実世界では、割れる程頭が痛かった現象なのに、……なぜだかは判らないけど、心が和らぐ様な気がする。……心が安らぐ様な気がするんだ。

『――私、■■■■君の力に、なりたい……から』
「……誰が、誰の力に……?」

 ただ、言葉の内容が判らなかった。

 この声は一体誰……なのか?泣き声の様な声だけど……美しい声。

 記憶の底を辿っていっても……まるで覚えがなかった。そう、あの空白の時を除いた記憶では……。

「………絶対に見つけてみせる。ALOで。記憶の欠片を……」

 ドラゴは、再び側頭部をすっと触った。大切なものはここに入っているから。



 そして、暫く色々と街を探索した後。(勿論、他のプレイヤーの少ない場所を狙って……)
 ドラゴは、ウインドウを開いた。そこには、ありえない数値が刻まれている。


〜ステータス・データ〜


Name:Drago

□ 筋力値 922 □ 敏捷値 930
□ スキルスロット/14

★ 片手直剣スキル /完全習得
★ 両手剣スキル /完
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