22部分:第二十二章
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って来た。フローズンの赤紫の色を見ながら呟いた。
「その御客様はもしかして女の人ではないかしら」
「はい、そうです」
バーテンはその言葉に隠された意味を知ることもなくすぐに返した。
「そして色気のある美人よね」
「その通りです。お知り合いの方ですか?」
「ちょっとね」
沙耶香はくすりと笑って答えた。
「知らない仲ではないわ」
「左様ですか」
「それでこれを私に、なのね」
「はい」
「わかったわ。じゃあ頂いておくわ」
「それが宜しいかと」
「けれど私のスティンガーも御願いね」
「わかっております。すぐに作らせて頂きます」
「楽しみに待ってるわ」
それに応えながらフローズンを手に取った。そして再びその赤紫の姿を見る。グラスの向こうで光を透かして妖しく光っていた。
「宣戦布告というわけね」
そう呟いてまた笑った。このカクテルの意味は実によくわかった。沙耶香はそれを飲み来たるべき時に想いを馳せ妖しく微笑むのであった。
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