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ストライク・ザ・ブラッド〜原初の生命体たる吸血王〜
聖者の右腕
#1
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かって行く。向かっている時に爆発音と火柱が見えた。
眷獣を使っているらしいので、速く行くべきだろう。と、フランが判断を下すのに一瞬の無駄な時間も無かった。
現着した時に、炎の馬の眷獣が銀の槍を持った少女と相対していた。
「っ!? おいマジか(あの銀の槍は確か――)」
「――
灼蹄
(
しゃくてい
)
! その女をやっちまえ!」
フランは少女の実力が如何程のモノか見てみたかったのだが、那月からの命令が来ている手前、諦めて止めることにした。
「よっと」
気怠げな声と共に高く飛び上がり、フランは少女の持つ槍の穂先の直上から重力に任せて落下した。
――ズガァァァン!!!
――スッ
重力に任せて落下したフランは銀の槍の穂先に着地して穂先をコンクリートの地面に減り込ませ、その状態のまま右掌を燃え盛る馬の眷獣へと向ける。すると、炎馬の眷獣は生まれたての子鹿の様に足を震わせ、平伏するように身を屈めた。
「……え?」
「しゃ、灼蹄!?」
槍を持った少女とD種の吸血鬼が目の前で起こった現象に唖然とした。
それもそうだろう。行き成り目の前に人が降ってきたと思ったら槍の穂先が地面に減り込んで轟音が響き、眷獣を掌を向けただけで震えだして平伏したからだ。
「とある降魔師の補佐官だ。聖域条約違反の容疑で公社の保安部まで同行してもらおうか」
攻魔官補佐と聞いたホスト風の吸血鬼は顔色を変えたが、フランの顔を見て表情を変えた。
「ふ、フランさん!? なんでこんな所に!?」
「む。貴様は確か、ガジュマル・サンセベリアだったな。何があったか知らんが、小娘相手に眷獣を出すな。やり過ぎだ」
「ま、まってくれフランさん! 正当防衛だ! 先に仕掛けたのはそのガキだっ!!」
「んなっ!?」
フランにガジュマル・サンセベリアと呼ばれた吸血鬼は少女に指を差してそう叫び、少女は自分に罪を擦り付けるような発言に目を見開いた。
「だとしても眷獣まで出されると言い訳は効かん。それに、そのガキは見たところ中坊だ。そんなガキ相手に眷獣を使うのは過剰防衛だ。なんだ、貴様は匈鬼だったのか?」
「っ!? 今の発言は例えフランさんが相手だとしても許容できねぇ! 取り消してくれ!」
「なら少しは考えて行動してくれ。貴様が匈鬼でないのは見ればわかる。だが今の状況を見るとそう思われても仕方あるまい? まあ、取り敢えず事情聴取だけで即釈放出来る位の口添えはしてやる。少し大人しくしていてくれ」
「…………はいッ」
そう言ってホスト風の吸血鬼――ガジュマル・サンセベリア――は眷獣を消し、姿勢を正してその場で時を止めた様に動かなくなった。
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