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ストライク・ザ・ブラッド〜原初の生命体たる吸血王〜
聖者の右腕
#1
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絃神島に住んでいる者には自身が第零真祖だと教えているが、古城は自身が吸血鬼だという事をのを隠している。故に、安易に言えるものではない。

 とりあえず、古城が第四真祖だと知っているのは絃神島にいる人物では少なくとも12人――その内の一人は古城の妹の無意識に潜む十二番目の眷獣――しかいない。








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 絃神島
 太平洋のど真ん中、東京の南方海上三百三十キロ付近に浮かぶ人工島だ。ギガフロートと呼ばれる超大型浮体構造物を連結して造られた、完全無欠な人工の都市である。総面積は約八十平方キロメートル。総人口は約五十六万人。
 暖流の影響を受けた気候は穏やかで、冬でも平均二十度を超える熱帯に位置する、いわゆる常にクソアチィ常夏の島だ。
 学究都市でもある絃神市は、製薬、精密機械、ハイテク素材産業などの、大企業や有名大学の研究機関がこの島でひしめき合っている。

 しかしながらこの島、少々特殊なところもある。


 魔族特区。
 それがこの絃神市に与えられたのもう一つの名前である。
 獣人、精霊、半妖半魔、人工生命体、巨人族に龍族、そして吸血鬼――この島では、自然破壊の影響や人類との戦いによって数を減らし、絶滅の危機に瀕していた魔族達の存在が公認され、保護されている。

 絃神島はその為に造られた人工都市である。


「暑い……だるいな。キャッスルじゃないが、焼け焦げそうだ」


 あの後フランは古城達と別れ、ゲーセンに向かって歩いていた。暫く歩いていると、ポケットに入れてたスマホに着信が入る。

 スマホをポケットから取り出し、画面を覗き込むとそこには―――南宮 那月と、顔写真付きで表示されていた。


「もひもひ、どうしたツッキー」
【私をツッキーと呼ぶな……はぁ、まぁいい。それよりフラン、今どこにいる?】
「今か? ○×ゲーセンの前にいるが」
【なら丁度いい。その近くで登録魔族(フリークス)≠ェ暴れているらしくてな。私の名前を使って引き摺って来い】


 その傍若無人な物言いに、フランは軽く苦笑する。昔の様な可愛らしさはどこに消えたのやら。等と思いながら、電話越しで話す。


「はいはい。手荒な真似をしても?」
【構わん。だがやり過ぎるなよ。……ああ、ちなみに相手はD種だ。全く、面倒事を増やしてくれる】


 那月の声色には本当にメンドクサイ、と言った感情が滲み出ていた。その時、フランは近くの場所で魔力が高まっていくのを感じとった。


「ああ、確かに魔力を感じるな。忘却の戦王(あの子)血族(従者)か……ま、行くとしますか」


 那月からの命令が出たので、早速現場に向
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