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ストライク・ザ・ブラッド〜原初の生命体たる吸血王〜
聖者の右腕
#1
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分が殺されてしまう。


「そして、もう一つ伝えなければなりません」


 先ほどの声よりは棘が無いように聞こえるのを感じた姫柊雪菜は、動揺を抑えつつ聞く姿勢をとる。


「この第四真祖がいる地――絃神島には最悪にして最狂であり、無敵の吸血鬼。吸血鬼の王、ハジマリにして究極の生命体、第零真祖不滅の吸血王(ロード・オブ・ヴァンパイア)≠ェいる可能性があります」
不滅の吸血王(ロード・オブ・ヴァンパイア)=c…っ!」


 姫柊雪菜は動揺を抑え切れずに声に漏らしてしまうが、御簾の向こうの三人はそれを注意しない。


 第零真祖不滅の吸血王(ロード・オブ・ヴァンパイア)
 有史以前。まだ第一から第三までの三人の真祖も、天部も、咎神(きゅうしん)も、レヴィアタンやナラクヴェーラさえも存在していなかった程昔から存在するとされ、全ての聖殲を生き延びた『原初の化け物』と言われている存在だ。

 他にも、三人の真祖を作り出したとか、天部を生み出したとか、錬金術師の始祖だとか、失われた物を含めて全ての魔導書を作っただとか、咎神(カイン)と無二の友人だったとか、天部を滅ぼしただとか、実は世に知られていない真祖級の眷属が複数人いるとか、闇の軍勢(レギオン)の総数が億を超えているだとか、八軍(少なくとも400000)を越す数のナラクヴェーラを保有しているだとか、敵に回したらほぼ全ての吸血鬼も敵に回るとか、その他幾つもの噂がある。
 何より、不滅の吸血王(ロード・オブ・ヴァンパイア)≠ノ傷を付ける為には、少なくとも真祖の眷獣の一撃クラス以上の攻撃をする必要がある等という噂もある程だ。


「そこまで緊張する必要はありません。彼の者は刺激しなければ温厚そのものです。くれぐれも彼の者を怒らせる様な真似だけはせぬよう。
 剣巫としての役目、見事に果たす事を期待しています」
「……はい」


 姫柊雪菜はその言葉の重みを自覚し、承諾した。








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「熱い……焼ける。焦げる。灰になる……」
「腐るな。キャッスルはそこまで頭が悪いわけじゃないんだ。気張れ」


 午後のファミレスの窓際のテーブルにぐったりと突っ伏している色素の薄い少年――第四真祖である暁古城――とドリンクバーで汲んできたジュースを飲んでいる女性の様な少年――フランドール・D・A・B・H・ヴィクトリア――がいた。

 前者の暁古城は白いパーカーを着ている。それなりに顔の造りもいいが、ただ今絶賛不貞腐れている。
 後者は漆黒を思わせる様な黒く長髪に蒼い双眸。髪は膝裏を過ぎるくらい長く伸びている。背が低ければ容姿は彼の同居
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