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ソードアート・オンライン‐黒の幻影‐
第2章 夜霧のラプソディ  2022/11
18話 死を描く狂気
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なエルフはたまーに他のエルフを召喚するスキルを使うけど、そのスキルを使ったエルフは《ギルドに蘇生の特典を与えるアイテム》をすごーく低確率でドロップするってぇ。同じエルフでもスキルを使えるのじゃなきゃだめですよぉ、って。そしたらあの娘達ったら思った通り飛びついてきてぇ、私も教えた通りになるように《エルフだけ》釣ってきてあげたんですぅ。いやぁ、あの死んじゃった娘は素敵でしたよぉ? みんなを逃がした時なんてカッコ良かったですよぉ〜」


 喜色満面とも見える笑みで身悶えするピニオラの話を聞き、どうして犠牲者が未だ一人だけなのか気に掛かっていたのだが、これで合点が行った。獲物として一番気に入る相手を厳選して狙っていたということか。依存しあっているというのは何となく見て取れた。この女、想像以上に胸糞悪い性質をしている。


「でもでもぉ、貴方みたいに物語の作者に干渉してくるキャラクターってぇ、わたし的には邪道なんですよねぇ。ましてや偶然だけで核心に迫る主人公補正なんて大っ嫌いですぅ。台本通りに踊ってもらわないとぉ」
「………悪いが、こちとら真っ当な人間でな。運もステータスの内なんだよ。気軽に死ねるか」
「あらぁ、それは残念ですねぇ。その割には自分からわたしを呼んでいたような気もしましたが気にしないでおきましょ〜。あまり趣味じゃないんですけどぉ、特別ですよぉ? ………えいっ!」


 ピニオラは足元にあった石ころを拾うと、何だか頼りないモーションで俺の傍――――とはいえ、二メートルほど離れた樹の幹なのだが――――に投げつけた。妙な事に衝突音が全く発せられなかったが、それ故に怖気が込み上げる。この女のPKとしての技量が、堪らなく恐ろしい。


「不思議でしょ〜、わたしが考えた最強の技なんですよぉ? 【災厄を呼ぶ虚無の音(ハーメルン)】って呼んでるんですけどぉ、面白いでしょ〜?」
「投剣スキルのMOD《意識攪乱(ディストラクション)》と《無音動作(サイレントムーブ)》の複合テク………これが《召集》スキルの仕掛けか。あんた、トロそうで意外と(こす)いな………」


 《無音動作》は使用者の動作に関連する《音》の全てを遮断する《隠蔽》スキルのMOD。
 《意識攪乱》は投擲物に周辺のモンスターのヘイトを集中させる《投剣》スキルのMOD。

 つまり、無音動作によって意識攪乱のSE(サウンドエフェクト)を掻き消した。石ころは投擲武器扱いではあるが、それは《投剣スキルを使用する射出物として使われた場合》に適合される。ただヘナチョコなフォームで投げただけならば武具としてもカテゴライズされず、そのままアイテム扱いとなる。
 しかし意識攪乱は投擲スキルの使用の有無に関わらず《投げた物》にヘイトを発生させるのである。これによってプ
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