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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第125話 目的は世界樹
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は当然ながら無い。
普通であれば、この速度で高度で飛ぶと、心理的圧迫を感じて加速が鈍るものだ。現実で言えば、初心者自動車ドライバーが突然F-1レース並みの速度を出そうか、としている事に相違ない。
普通なら、出せないだろう。
速度が上がるにつれ、恐怖心も出てくる。それが、空の上なら尚更だ。
――……尋常な精神力じゃない。
リーファは、そう感じながら、口元を引き締め、最大加速に入った。未だかつて、この速度領域で編隊飛行をした事はない。それは、耐えられる仲間がいなかったからだ。
速度を増すにつれて、景色があっという間に変わっていく。眼下の樹海。それが先ほどまで緩やかな小川の流れ……緩流だったのが、まるで激流となったかの様に、吹き飛んでいく……。それでも、驚いたことに、2人は涼しい顔でついて来た。
でも、流石にあのコには辛かった様だ。
「はうー……、わたしもうだめです〜」
キリトの傍にピッタリと張り付いて飛んでいたユイは、すぽんっと再びキリトの胸ポケットに飛び込んだ。やはり疲労感がハンパがない様だ。AIだと言う事を忘れたリーファは、その姿を見て笑う。
そのユイの姿を見てリーファに続き、他の2人も軽く笑った。
そして、樹海の景色が変わり、その先の色とりどりの光点の群が姿を現した。それは、リーファの言うとおりだ。一目瞭然、目の前に光のタワーが伸びている事が直ぐにわかった。
あの辺りがシルフ領の首都なのだろう。
「おっ、見えてきたな?」
風切り音に負けない大声でキリトが言った。
「光の塔……だな。確かに」
ドラゴも街を象徴している光の塔を見ながらそう呟いていた。その塔の元に集っている光。まるで、宝石をばら蒔いているかの様な景色。
「さーて! 真ん中の塔の根元に着陸するわよ皆っ! ……って、あ……」
リーファは、不意にあることに気づいて、笑顔を固まらせた。確かに飛ぶことは問題ない様だが……、これはどうだろうか?
「ねー……、2人とも。ランディングのやり方……判る?」
恐る恐るリーファは、2人に聞いた。すると、直ぐに1人からは、返答が返ってくる。
「Landing……着陸、着地か。速度を落として、あの塔でって事だろう?」
「そ、そう! そのとおりだよ! ドラゴ君 発音イイね! ……でも、ちょっとミスっちゃったら、激突するんだけど、大丈夫そうねー……?」
リーファは、ドラゴと色々と話しているけど、キリトからは声が聞こえてこない。さっきまでは、風切り音に負けないくらいの大きな声だったのに、今は聞こえないのだ。今度は、キリトの顔を見てみると……、顔面が蒼白になっているのが判る。
顔も強ばらせているし。
「………
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